

2008年7月31日
韓国では、政権に向けた抗議デモが2カ月以上続いている。その背景には、日本では考えられないようなインターネットの発達があった。
「一国の大統領を選ぶ大人たちが失敗したから、こんなことが起きた」と語るのは、18歳の女子高校生だ。彼女たち10代の少女が、韓国史上空前の規模となったデモの出発点だった。5月に始まり、6月には数10万人を集めたといわれるイ・ミョンバク政権への抗議デモは現在も続いている。
今年2月、イ・ミョンバク大統領は圧倒的勝利で政権の座に就いた。ところがわずか2カ月後、BSE問題を抱えたアメリカ産牛肉の輸入全面解禁を決定したことから風向きは一変した。韓国全土で抗議の「ロウソクデモ」が拡大の一途をたどったのだ。60%近くあった大統領支持率は、一気に20%を割り込んでしまった。
この一連の事態に強い影響を与えたのが"インターネット"だ。
デモの情報管理をしているグループに接触することができた。彼らはデモを煽ったとして、警察から指名手配を受けているという。寺の境内にテントを張り、そこを活動の拠点にしていた。彼らは元々、社会運動の活動家たちだ。韓国の習慣で警察は寺の境内に踏み込まないため、ここで篭城して抵抗の姿勢を示しているのだという。
―――ここでインターネットが使われていた―――
彼らは寺の篭城テントを生中継することで頑張っていることをアピールし、同時に警察が逮捕を強行することをけん制しているという。寺から一歩出た瞬間に逮捕されるため、彼らはデモに参加できない。インターネットを通じて、デモ開催の予定など多くの情報をここから発信していた。
「あなた達がデモを先導しているのか?」という問いに、彼らはこう答えた。「そうではない。むしろ国民が先に立ち上がった。数人の市民がネット上で提案したのがデモの始まりだった」
しかし、最初に行われたロウソクデモの映像を見てみると、意外な事実が浮かびあがる。
5月2日に行われたデモに集まっていたのは、10代とおぼしき少女たちだった。罵声も暴動もなく、しずかにロウソクを手にする少女たち。身元を伏せるためか、皆おそろいのマスクを付けている。
この日のデモに参加したという17歳と18歳の少女に会うことができた。デモに参加したきっかけをたずねると、こう答えた。