

2008年8月19日
壮大な演出で多くの人を魅了した北京オリンピックの開会式。中国の瞬間最大視聴率は98%を記録し、全世界で40億人が釘付けになった。
開会式の総合演出をした張芸謀(チャン・イーモウ)監督にその舞台裏を聞いた。
「約3年前にこの仕事を引き受けたのですが、プレッシャーは確かにありました。すべての人が期待と関心を寄せていたので(開会式の演出は)映画監督の仕事より難しかった」と語るチャン・イーモウ監督。1987年に監督デビューして以降、中国現代史が抱える問題を斬新な映像で描いてきた中国映画界の巨匠だ。開会式では、中国の古代から現代を壮大なスケールで演出した。
開会式に込めたメッセージについて、チャン・イーモウ監督はこう語る。
「まずは中国には悠久な歴史と輝かしい文明があることです。そして今の中国人民は、世界中の人々と同じく美しい未来を夢見ていることです。皆、同じ地球に生きているのですから。『あなたと私』『中国と外国』などと境界線を引かずに、同じ世界を共有しているひとつの家族…という考えです」
オープニングの花火がCGだったことや、56の民族の衣装を着た子どものほとんどが漢民族だったこと。そして少女の歌声が"口パク"だったことなどが次々と発覚。海外メディアの批判の対象となり、中国国内のネット上でも論争が巻き起こった。この問題については―――。
「あれは私自身の判断で決めました。もちろん皆に議論されることは予想していましたが、私は完璧なパフォーマンスを求めるが故にこの選択をしました。あくまでも芸術上の創作なので、過大視する必要は全くないと思います。開会式の全体を否定して欲しくはありません。多くのスタッフがあれほど努力したのは、全世界の人に楽しい開会式を見せたいという願いからでした」
さらに少数民族問題については―――。
「中国は多民族の国で、56の民族があります。開会式では全世界の人が団結し、みんな家族となり、"和を以って貴しとなす"というメッセージを表現していますが、私たちはみなそう願っています」
チャン・イーモウ監督は、こう語った。