

2008年8月27日
オリンピックの期間中、北京市内にあるキリスト教の教会が外国メディアに公開された。現在、中国ではキリスト教に入信する人たちが増え、教会は全国で5万カ所を超えているという。しかし、政府公認の教会以外での信仰は認められていない。
ここ数年、中国では住宅などで密かに少人数が礼拝を開く政府非公認の『地下教会』と呼ばれるキリスト教会が広がりを見せている。信者は約7000万人とも言われていて、中国共産党の党員数に迫る勢いだ。我々は、そのひとつに潜入取材を行った。
貧しい農村の一角に、その教会はあった。わずか20坪ほどの部屋は70〜80人ほどの人々であふれていた。丸太で組まれた簡素な室内に華やかな装飾は一切なく、正面に十字架のポスターだけが貼られている。教会関係者は「政府に認められた教会だ」というが、今にも崩れそうな古いレンガ造りの建物には、教会を思わせるものは何一つ掲げられていない。
中国の憲法では"信仰の自由"が保障されている。しかし実際、宗教は政府の管理下におかれ、政府公認の一部の宗教団体しか活動を認められていないのが現状だ。地下教会の信者らの迫害は留まるところを知らず、去年は700人が逮捕され、800人が弾圧を受けたという。
「中国政府は様々な口実を使ってくる。許可を得ないで宗教集会を開くと、法秩序を乱すといわれた。それが家で行われた集会でも」―――そう話すのは、かつて地下教会の牧師として活動していた傳希秋さんだ。傳さんは1996年に中国当局の手によって逮捕された後、アメリカに亡命。現在、迫害されている教会の支援を行っている。我々が取材を行っているときも、中国当局がオリンピックを前に地下教会の代表を北京から締め出しているという情報が入った。「彼ら(中国当局)はいろんな手段で拷問を行う。彼らは教会の信者数や、外国とどれくらい深いつながりがあるか知りたがる」と傳さんは話す。
こうした弾圧は、いまに始まったことではない。中国にキリスト教が伝わったのは約1400年前。しかし1949年に中国共産党が全権を握ると、欧米諸国と関係の深いキリスト教を嫌い、外国人聖職者を国外へ追放した。さらに資本主義を真っ向から否定した『文化大革命』では宗教の存在そのものを認めず、教会は破壊され、多くの信者が命を落としていった。