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2008年9月9日

4人死亡・13人不明〜漁船沈没の深まる謎

4人死亡・13人不明〜漁船沈没の深まる謎

今年6月23日、千葉県から350キロの太平洋の洋上で、乗組員20人が乗った漁船「第58寿和丸」が沈没する事故が起きた。4人の死亡が確認され、いまだ13人が行方不明となっている。
我々の番組を含め、多くのメディアが沈没原因は"三角波"などの巨大な波の可能性を指摘した。だが改めて生存者に取材すると、意外な事実が判明した。

「(大波は)生存者の3人は誰も見ていない」と話すのは、第58寿和丸の生存者のひとりである豊田吉昭さん(49)だ。
第58寿和丸は、全長38m・総トン数135t。船室は前方部と後方部にあり、生存者3人は全員後方部で休息していた。そして転覆前に船首右側に2度の衝撃を感じたという。「1回目はそれほど大きくなくて、2度目の衝撃は6〜7秒後に何倍かの強さがあった。衝撃の音は"ドスン"と"バキッ"という音の複合音だった」と豊田さんは語る。
強い衝撃を受けた乗組員らは、急いで船室から出た。他にも4人ほどが甲板に脱出していたという。外に出るとほぼ同時に船は急速に傾き、衝撃を感じてからわずか1分足らずで船は転覆した―――。
「(脱出できたほかの乗組員も)さっきまで泳いでいたのに、背中だけ海面に出して亡くなって浮いていた。『俺はこんなところで死ぬのか。そんなはずはないんだ…』と。でも波に飲まれれば『やっぱりここで死んだ』とずっとその繰り返しだった」と豊田さんは話す。

巨大な波が船を襲い飲み込まれる事故は世界各地でも発生しているが、今回の事故の生存者によると事故発生当時、海は大荒れではなかったという。
事故当日の午前9時―――海が荒れてきたので、5隻の船団は錨を下ろして停泊した。このとき第58寿和丸の最も近くにいた僚船の「第6寿和丸」の今野多喜郎船長は「午後になって風もおさまってきたし、波の状態もよくなってきた。その後、大きな波はなかった」と証言している。このような状況の中、突然の異変が襲った。午後1時20分、レーダーから第58寿和丸の姿が消えたのだ。

国内で最先端の波の研究をしている京都大学防災研究所が、今回の事故を検証していた。間瀬肇教授は「三角波ではない、ということは確かだ」という。
10kmほその範囲で2方向から来る波がぶつかり巨大化する"三角波"。

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