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2008年9月12日

"対テロ戦争"7年の現実〜勢力拡大する「タリバン」

"対テロ戦争"7年の現実〜勢力拡大する「タリバン」

アフガニスタンとの国境に近いパキスタン北西部の都市・ペシャワル市内にある病院には、自爆テロなどで心を病んだ人たちが、毎日数十人やってくるという。患者の多くは国境地帯に暮らす人たちで、数カ月前から急激に増え始めたというのだ。「原因は治安の悪化。うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患う女性や子どもも多い。中には自殺を図る人もいる」と医師は語る。
国境地帯を中心に、パキスタンでは急激に治安が悪化している。なぜこんな事態が起きているのか――?

対テロ戦争のため、日本の海上自衛隊はインド洋で給油活動を続けている。その最大の供給相手がパキスタン軍だ。9.11以降、パキスタンはアメリカの対テロ戦争における重要な同盟国になっている。

アフガニスタンと長い国境を接するパキスタン。アメリカのアフガン侵攻で政権を追われたタリバンやアルカイダは、国境周辺の部族地域であるワジリスタン地方に逃げ込んだ。険しい山岳地帯に位置するこの地域は政府の支配が及ばず、いわば「テロリストの隠れ家」だ。こうした国境地帯では、パキスタン軍が武装勢力の掃討にあたってきた。

だが取材班が入手したタリバン撮影の映像には、パキスタン兵の遺体が執拗に映し出されていた。アメリカに協力するパキスタン政府への憎しみ―――。
その映像の中で、タリバンはこう叫ぶ。「すべての聖戦士、イスラム教徒に呼びかける。崩れかけのパキスタン軍に最後の一撃を」と。

タリバンの影は都市部にも忍び寄っている。ペシャワル市内にあるパキスタン最古の歴史を誇るペシャワル大学では去年、殺人事件が起こった。そして先月末、学生寮に住むタリバンを信仰する学生らが大量の武器を隠し持っていたとして、地元警察の摘発も行われた。この大学はイスラム神学校ではない。しかし、最近は空気が変わり始めたという。ある学生は「大学のすべての学生寮に過激派が拠点を構えている。寮の倉庫や部屋に武器を隠し持っている学生も多い」と語る。

タリバンがアフガニスタンで撮影したとされる映像がある。その中では、子どもたちがボクシングの真似事をし、周囲からは笑い声も聞こえる一見、微笑ましい光景が映っていた。
しかし次のシーンではその雰囲気は一変する。子どもたちはこんな歌を口ずさむ。
「敵の心臓めがけ攻撃しよう。

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