

2008年10月8日
農水省のずさんな検査・管理体制が明らかになった汚染米の不正転売問題。農水省は今、流通ルートや原因の解明作業を進めている。しかし、なぜ農薬に汚染された米が日本に入ってきたかという部分は、調査すら行われていない。手付かずの"汚染米の輸入ルート"を取材した。
世界第2位のコメ輸出国のベトナム。日本に輸出された食用米から基準の3倍にあたる農薬「アセタミプリド」が検出された。地元農家の人は「ドイモイ(刷新)政策の前は農薬を使っていなかった。害虫が増えた1990年代から多く使っている。最近の農薬は濃度が高く、効き目も強い」と話す。
ベトナムから輸出されるコメは、どのような検査を受けているのか?ベトナム政府系検査会社が、初めて日本メディアの取材に応じた。ここでは米粒の大きさや重さに始まり、残留農薬にいたる様々な分析を行っている。しかし、担当者は「他国へのコメは全部ここで検査するが、日本へ輸出するコメだけ検査していない。」という。さらに担当者は「日本へのコメはオミック社が検査する。日本政府は日系企業しか使わない」と語った。
日本への輸出検査を独占的に行っているという「オミック(海外貨物検査株式会社)」のホーチミン事務所を尋ねた。オミックは、商社や損害保険会社が出資している株式会社だ。本社を東京に持ち、役職員は360人。残留農薬を中心に安全性の確認を行っているという。責任者だという日本人男性に「ベトナムで独占的に日本のコメを検査しているのか?」と質問したが、何も答えてくれなかった。
農水省はコメを輸入する際、安全性の確認を2段階で義務付けている。第1段階は、輸出国の倉庫などに貯蔵されている時点での検査。それに合格すると、船積みのときに第2段階の検査を受け、それから日本へ向かう。日本の港へ到着すると、今度は厚生労働省の検査が待っている。今回、ベトナム米からアセタミプリドを検出したのは福岡での検疫だった。農水省が輸出国で義務付けた2段階の検査が、まったく機能していなかったのだ。一体、どのような検査だったのか?
取材拒否から一転、オミックのベトナム事務所からインタビューを受けると連絡があった。だが、我々の想像を覆す答えが返ってきた。「ここの事務所は駐在員事務所で、検査活動はしていない。