

2008年10月17日
障害者自立支援法が施行されて2年。様々な問題が浮上し、見直しに向けて検討が進められている中、ある精神障害者の共同作業所が存続の危機に立たされている。
京都府・宇治市にある精神障害者共同作業所「ほっとハウス」は統合失調症、うつ病、躁うつ病などの病気を持った人々が56人登録、毎日20人ほどが訪れる。
メンバーは来るとまず「ほっと料」と呼ばれる食事代350円を払う。"昼ごはんを皆で食べる"―――それがほっとハウスの基本となる活動だ。外に出て、人と接すること自体が病気にもよいのだという。
ほっとハウス利用6年の石井さんは、高校生の時に統合失調症を発病した。「(以前は)強迫観念があった。家が火事にならないかとか、何度も不安になって…。」と石井さんは話す。今では、薬の服用やほっとハウスの利用で病状も落ち着いていて、最近は、ほっとハウスに来ると、陶芸にはまっているという。
ほっとハウスには特に決められた作業がない。各々が好きなときに好きなことをするのだ。ほっとハウス利用9年の女性は「家にいると幻聴が聞こえる。こういうところだと気が紛れるから、あまり聞こえない」という。
また、ほっとハウスでは調子が悪くて来られないメンバーに食事を届けるサービスも行っている。配達に行くことで、メンバーの病状も確認することができるのだ。ほっとハウス創設者の棚谷直巳さんは「実際に福祉的なケアが必要な人たちは、"電話しかかけられない人たち""月に一度しか来られない人たち"」だという。
ほっとハウス利用7年の坂根さんはうつ病の治療中で、調子が悪いときには体を動かすこともままならない。そんな時は、ほっとハウスから食事を持ってきてもらう。「持ってきてくれるということ自体がムチャクチャ嬉しい。人が来て、ちゃんと僕を見守ってくれているということが一番嬉しい」と坂根さんはいう。
坂根さんは30歳のときにうつ病と診断され、病気のためにひとつの仕事を続けることができずに100以上もの仕事を転々とした。坂根さんはこう話す。「家にひとりでいると、意識のある間は自分の過去の悪いことの方へ行ってしまう気がする。(ほっとハウス)はしんどいことがあった時に逃げ込む。