655 | 656 | 657 | 658 | 659 | 660 | 661 | 662 | 663 | 664 |

2010年7月28日

建設業者の転業を阻む壁

建設業者の転業を阻む壁

国の財政が厳しいなか、公共事業の削減が続いている。このため、不況に立たされる建設業者が異業種参入に取り組むが、厳しい規制の壁に阻まれている。

鳥取県大山の麓、標高750メートルにある日本最大級といわれるブルーベリーの摘み取り農園『奥大山ブルーベリー農園』は、今年も多くの人でにぎわっている。このブルーベリー農園と園内にあるカフェテリアを経営しているのは、地元の建設会社『かわばた』だ。6年前まで荒れ放題になっていた耕作放棄地の雑草を刈って、耕してきた。建設業から農業に参入したかわばた。その道のりは平坦ではなかった。

当時、株式会社が農地を借りて、農業を始めることは、“農地法”という法律で規制されていた。このため、町役場が農地を所有者から借り、それを建設会社に貸し出すという特例措置で、ようやく農業に参入することが許された。しかし、規制はそれだけではなかった。
ブルーベリーは実がつくまでに3年はかかる。かわばたの川端雄勇社長は、「3年はまったく収入がなく、資金繰りが大変だった。農業の場合は、補助金や融資制度があるが、農家でない建設業者がすぐに参入しても、有利な農林関係の(融資)制度は利用できない」と話す。企業が農地を借りる農地法の規制は、去年ようやく緩和されたものの、地元の同意を取り付けるという規制はまだ残っている。さらに、農林関係の融資制度も利用できるようになったが、金利は農家に比べて2倍以上。それにもかかわらず農業に参入するのは、公共事業の削減に歯止めがかからないためだ。「ピーク時2000年頃は売り上げが12億くらいあったが、いまは5億と半分以下。やはり規制緩和は必要」と川端社長は話す。

建物の設計と施工などを行う『八晃建設』は、北海道七飯町にある保育施設『どんぐり』を経営している。八晃建設の秋田雅樹社長自らが、園児の送迎や運動会の運営などを手伝っている。秋田社長らは、5年前、地域の保育が充実していないことを感じていて、保育事業への参入を考えていた。さらに、10年前に2億円あった公共事業の売り上げが、5年前には5000万円に落ち込んでいた。「10年前、危機感はあったが、まだ想像の話だった。保育事業への参入を考え始めた5年前頃から、建設業界がきつくなってきているという実感がわいてきた」と話す。

  • 1
  • 2
655 | 656 | 657 | 658 | 659 | 660 | 661 | 662 | 663 | 664 |