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2010年8月9日

水深100m“青の世界へ”〜フリーダイビング・篠宮龍三

水深100m“青の世界へ”〜フリーダイビング・篠宮龍三

水深100m。そこには、ダイバーたちから“グランブルー”と呼ばれる“深い青”が広がっている。日本人で唯一その景色を知るのが、プロフリーダイバーの篠宮龍三さん(33)。「地球上の青という青をすべてぎゅっと濃縮した世界だ」と話す。

空気タンクを持たず、どれだけ深く潜れるかを競うスポーツ、フリーダイビング。自分の潜る深さを事前に申告し、ロープ沿いに海の底へ。申告した深さにはプレートが設置され、そのプレートを持ち、自力で帰るというもの。往復にかかる時間は約3分。100m以上の記録を持つのは、篠宮さんを含めて世界で13人しかいない。水深100m以上の世界、そこは、美しい反面、過酷な世界だという。篠宮さんは「空気のある世界から遠ざかるということは、死の世界に近づいている。水温も冷たくなって、冷えていくし、光も失われていく。人間が生身の体で行ってはいけない、禁断の場所のようだ」と話す。

フリーダイビングの最大の脅威は水圧だ。地上の11倍の圧力がかかる水深100mでは、10cm四方に1tもの力が加わる。人間の場合、最も水圧の影響を受けるのが、空気を蓄えた肺だ。肺は、水圧によって小さくなっていくが、やがて中の空気が縮小する力についていけなくなり、障害を起こしてしまう。これを防ぐ鍵となるのが、肺の下にある“横隔膜”だ。横隔膜を大きく引き上げると、肺の縮小が助けられ、空気の縮小についていけるようになる。肺が小さくなると、体は浮力を失い、じっとしたまま、沈んでいく。篠宮さんは、ヨガによって、横隔膜を柔軟かつ意図的に上げることが出来る。しかし、ヨガだけで100mにはたどり着かない。100mを往復するには、最低でも3分間はかかる。なぜ、そんなに息がもつのか。秘密は、血液の流れにあった。篠宮さんに可能な限り息を止めてもらい、その間、頭と足の血液量がどう変化するのかを測った。篠宮さんは、6分半まで無呼吸。測定の結果、足の血液量が下がったのに対し、頭の方が増えた。これは、体内の限られた酸素を、生命維持に重要な脳や心臓、肺に運ぶため、血液が集まる現象で、“ブラッドシフト”と呼ばれている。篠宮さんは、この反応を強く出せるため、長時間、息を止めていられる。篠宮さんのコーチでもある日本女子大学・潜水生理学の藤本浩一助教は「トレーニングをしても、うまく出せる人と出せない人がいる。

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