659 | 660 | 661 | 662 | 663 | 664 | 665 | 666 | 667 | 668 |

2010年7月19日

レナウン傘下に「山東如意」 中国巨大企業を現地取材

レナウン傘下に「山東如意」 中国巨大企業を現地取材

ヨーロッパの高級ブランドの生地も一部手がけている中国繊維大手の『山東如意集団』。この企業が5月、100年の歴史を持つ日本のアパレル大手『レナウン』を傘下に置くと発表した。日本の名門をも買収する力を持つ中国企業の狙いと驚くべき技術力を取材した。

山東如意集団の心臓部である生産工場にカメラが入った。広大な空間が広がるなか、この工場だけで1600人の従業員が働いている。次々とすばやくミシンをかけ、すさまじい勢いで生地が縫われていく。話し声は一切なく、黙々と作業を続けている。この工場だけで1日3000着ものスーツが作られ、製品の8割がヨーロッパなどに輸出されている。ここで働く従業員の月給は、日本円で2万円から2万5000円ほど。中国では平均的な金額だ。日本に比べれば格段に安い労働力。しかし、山東如意の力の源泉はそれだけではない。
紡績工場に案内された取材班は、工場に入った瞬間、大きな音に包まれた。工場の中には、最新鋭の機器がずらり並び、人の姿はほとんど見当たらない。ここで、太いウールなどの原材料から極めて細い糸がつむがれていく。この場所こそが、この企業の心臓部だった。山東如意集団の李雲鵬広報副部長は「我々の技術水準は、すでに世界最高レベル」と話す。機械自体は、イタリアとドイツの最高級品を輸入し、7年かけて独自の改良を重ねてきたという。非常に細い糸を使って折られた生地がヨーロッパなどで仕立てられ、高級ブランドとして売られる。李広報副部長は「我々の製品は8割が輸出なので、世界経済の影響が大きい。だから今後は、国内市場の開拓を積極的にする必要がある」と話す。

そこで山東如意集団が目をつけたのが、日本企業の“ブランド力”だった。山東如意集団の邱亜夫会長は、「日本、特に東京は、東アジアではファッションの中心地だ。日本企業はデザインに優れ、流行に敏感で、世界の先進的なレベルにある」と、日本企業を買収する狙いについて話す。100年の歴史を持つレナウン。「ダーバン」などの多くのブランドを持ち、1980年代には売り上げでアメリカの「リーバイス」を抜き、アパレルメーカー世界一にまで上り詰めた。そのころ操業を開始したのが山東如意集団だった。安い人民元と労働力を武器に中国製品が市場を席捲。レナウンが売り上げを落としていく一方で、山東如意集団は急速に規模を拡大していった。

  • 1
  • 2
659 | 660 | 661 | 662 | 663 | 664 | 665 | 666 | 667 | 668 |