

2010年8月5日
7月中旬、西日本を中心に被害が相次いだ豪雨災害。家を失うなどした被災者の生活支援はどうなっているのか――――
7月16日、広島県庄原市を襲った集中豪雨。この大雨により、14棟が全壊、1名が犠牲になった。3週間がたったにも関わらず、いまだに土砂や流木が残っている。
大型の重機を使っての作業は、道路や河川などの復旧工事が中心で、個人の家々の復旧は、ボランティアと住民自らの手で進められている。
豪雨当日、上原純一郎さん(84)の自宅は、濁流に完全に飲み込まれた。水が引いたあとの自宅は、大量の土砂で埋まり、流木が窓を突き破って、家は半壊状態になっていた。家財道具は運び出され、泥も掻き出したが、今でも危険エリアに指定されていて、大雨による二次災害の危険もあるため、いまだ自宅に戻れない日々が続いている。
国には、被災者の生活を立て直すために、最大300万円の支援金を出す『被災者生活再建支援制度』があり、自宅の補修や建て直し、土砂の撤去などに使うことができる。しかし、対象となるのは全壊した民家などで、半壊の家屋の場合、解体しない限り、支援金は一切出ない。建物が全壊なのか、半壊なのかは、市の職員が国の定めたマニュアルに従って柱などを調査し認定する。半壊の状態とは、「修繕すれば、以後、居住可能な状況」と庄原市都市整備課の三浦義和主幹は言う。半壊認定を受けたある被災者は「壊れた家の形だけで判定をするのではなく、そこにこれからも住むという立場で判定をしてもらいたい」と話す。
さらに深刻な問題がある。自宅が全壊しているにも関わらず、支援金が出ないケースがあるのだ。7月中旬、観測史上最大の雨量を記録した北九州市。この地域は、家屋が全壊していても被災者に国の支援金が一銭も出ない。『被災者生活再建支援制度』の恩恵を受けるには、その市町村で“全壊家屋が10世帯以上なければならない”などの条件が付いているからだ。北九州市で全壊したのは2世帯だったため、制度の対象からもれてしまう。自宅が全壊認定された渋谷敏男さん(73)は「収入は年金しかない。流木を撤去する費用は自己払いと言われてもできない。同じ日本国で、『福岡はだめ、北九州はだめ』というのは、今の政治の大きな欠陥。なんとか半分でも(国が)手伝ってくれたら助かる」と話す。