641 | 642 | 643 | 644 | 645 | 646 | 647 | 648 | 649 | 650 |

2010年9月17日

永久飛行に挑戦!太陽エネルギーで飛ぶ飛行機

永久飛行に挑戦!太陽エネルギーで飛ぶ飛行機

スイス西部・フリブール地方ののどかな田園風景が広がる地で、世界初となるエコ・プロジェクトが計画されていた。パイエルヌ飛行場の一角にある巨大な格納庫に今回のプロジェクトの主役が収納されている。太陽の光だけで飛ぶ飛行機『ソーラー・インパルス』。この飛行機の最大の特徴は、約64mの大きな翼。この翼一面に1万2000枚もの太陽電池が敷き詰められている。さらにこの飛行機、太陽光発電ができない夜も飛び続けられるという究極のエコ飛行機だ。この飛行機を考案したのは、スイスを代表する冒険家、ベルトラン・ピカール氏(52)。ピカール氏は、3代続く冒険家として、欧米では著名な人物だ。祖父のオーギュスト・ピカール氏は、今から80年前の1931年、人類初の気球による成層圏到達を成し遂げ、肉眼で地球の湾曲を確認した。父親であるジャーク・ピカール氏は1960年、潜水艦を改良し、マリアナ海溝で1万916mを潜り、潜航深度世界記録を達成した。そして、ピカール氏本人は、1999年、熱気球で史上初の無着陸世界一周を達成。一族の冒険は、常に人類と科学の発展を追求するものだった。
2003年、ピカール氏は、化石燃料を一切使わずに世界一周を目指す、前代未聞のエコ・プロジェクトを立ち上げた。世界一周の飛行を実現するシステムとはどのようなものなのか。日中は、太陽の光を浴びて発電した電力を使い、4機のプロペラを回して飛行。残った電気をバッテリーに貯める。夜間は、その蓄えたバッテリーからの電力でプロペラを回す。そしてまた朝になると、太陽の光を受け、再びバッテリーを充電しながら飛行。つまり、理論的には、“永久飛行”が可能となる。構想から8年。開発費118億円をかけたソーラー・インパルスは今年1月、初めて試験飛行を行った。

飛行距離は、300m、高度はわずか1m。しかし、ここまで到達するのには、長い道のりがあった。そもそも太陽光で得られるエネルギーの量は限られている。パワー不足をどう克服するかが、最大のハードルだった。地元スイスはもちろん、ヨーロッパ全土の企業や研究所などが英知を結集し、開発に乗り出した。しかし、ソーラー・インパルスの馬力は、スクーターと同じ程度。時速にすると、70kmが限界だ。たった8馬力で空は飛べるのか。太陽光だけで飛ぶ機体の重量のリミットは、乗用車一台分の1600kg。

  • 1
  • 2
641 | 642 | 643 | 644 | 645 | 646 | 647 | 648 | 649 | 650 |