

2010年9月23日
賛否渦巻く消費税。新内閣を立ち上げた菅総理は、『社会保障と財源問題は一体的に議論する』と再び踏み込んだ。国民に痛みを強いる消費税。様々な立場の有識者に、いま消費税をどう考えるべきか聞いた。
居酒屋チェーンを全国展開する「ワタミ」。このデフレ下で、値下げ競争は激しくなるばかりで、ワタミは、約7割のメニューを250円にする店舗を新たに展開し始めた。ワタミの渡辺美樹社長は「経営は厳しい。(利用客の)財布の紐が非常に固い」と話す。消費税の引き上げは、売り上げの減少、そして、経営の悪化を招きかねない。ところが、渡辺社長は「消費税はなんらかの形で上げるべき。将来の不安が皆さんのお金を使わせていない一番の理由。年金、医療、介護をしっかり整備すること。この国の財政がしっかり立ち直ること。そして、無駄なお金を使わずに、この国が、経済が立ち直っていくところに集中してお金を出せること。それらの物を全てを前提にしたとき、20〜25%の消費税は必要だ」という。
日本の財政は火の車だ。来年度も、税収より、新たな借金の方が多いという異常な状況で、今や、国と地方の借金の総額は、900兆円に達しようとしている。一方、医療や介護、年金などの社会保障費は、毎年1兆円以上増加。消費税で賄うには、税率20%以上が必要との指摘は多い。長年、消費税引き上げに携わってきた元大蔵省主税局消費税担当課長の森信茂樹氏は「消費税は安定的な税収をもたらしてくれる。この10年を見てみると、大体1%あたり2.5兆円の消費税収があがっている。これから社会保障費が毎年1兆円以上伸びていく中で、非常に力強い財源だ」という。
国の税収約37兆円のうち、3割近くを占める消費税は、景気に左右されにくい税金と言われている。この10年を見ても、所得税と法人税は、景気によって税収が大きく変動したが、消費税は、一定の税収をあげてきた。しかし、デフレはしばらく続くとして、消費税引き上げは出来ないとの指摘もある。クレディ・スイス証券チーフ・エコノミストの白川浩道氏は「所得面でのデフレの下で、消費税によって強制的に物価をあげれば、物の売れる量は減る可能性が高い。見込まれていた税収が減ってしまう」と話す。