

2010年10月28日
来月2日に行われるアメリカの中間選挙。議会下院(定数435)の全議席と上院(定数100)の約3分の1の議席が改選される。現在、上院・下院ともに多数を占める民主党だが、オバマ政権に対する国民の不満が高まる中、下院では共和党に逆転されるという見方が強まっている。焦点は、上院で多数派を維持できるかどうか。勝敗のカギを握る6つの激戦区、そのひとつが、ネバダ州ラスベガスだ。
アメリカ随一の歓楽都市ラスベガスだが、不況から脱しきれないアメリカの象徴と化した。ネバダ州の9月の失業率は14.4%、3年前に比べると3倍近い水準だ。資金繰りの悪化でカジノ建設は止まり、郊外の住宅街には空き家が目立つ。住宅ローンを払えなくなった人たちが家を追われている。ネバダ州の住宅差し押さえ率も全米最悪だ。先月、全米の住宅差し押さえ件数は10万2134件(調査会社リアルティトラック調べ)で、過去最多となった。これがオバマ政権の現実だ。
この2年の政権の成果が問われる中間選挙。ネバダ州では、民主党最高幹部、ハリー・リード上院院内総務(70)が大苦戦を強いられている。リード氏は、オバマ大統領が推進する景気刺激策などに取り組んできた中心人物だ。彼の敗北は、即オバマ政権の否定につながりかねないため、オバマ大統領自らも応援に駆けつけた。リード氏を追い詰めているのが、共和党の新人、シャロン・アングル候補(61)。最新の世論調査では、アングル候補に投票すると答えた人が49%、リード氏は45%(CNNなど調べ)と、アングル候補が4ポイント上回った。アングル候補躍進の原動力となったのが、反オバマの急先鋒として存在感を増す市民運動 “ティーパーティー”の集団だ。植民地時代、重い税金に抗議した『ボストン茶会事件』にちなんで始められたこの運動は、全米に広がり、その名を冠にした組織は大小600以上ある。彼らの主張は、巨額の景気刺激策への批判だ。その矛先は、住宅ローンが払えなくなった人への救済策にも向かう。『なぜ、自分の税金が他人のローンの返済に使われるのか』という。選挙の結果次第では、彼らの影響力はさらに増していく。
熱狂と興奮から2年。オバマ政権は“変革”への期待をつなぎとめることができるのか。