

2010年11月17日
住宅密集地の真ん中に位置し、“世界一危険な飛行場”と呼ばれる普天間基地。返還合意から14年半、代替施設着工のめどさえ立たない中、地元の負担は極限に達している。ヘリ部隊が中心の普天間基地。ところが今、ジェット戦闘機の訓練が急増している。ジェット戦闘機の爆音は普天間基地所属のヘリの音を遥かに上回り、周辺住民の生活を脅かしている。極東最大のアメリカ空軍の拠点、嘉手納基地の改修工事が10月から始まり、2本の滑走路のうち片側しか使えない状態が続いているため、普天間基地で訓練が行われているという。嘉手納基地は、普天間基地と違い、多くの戦闘機が常駐し、さらに他の基地から訓練などに訪れる戦闘機も多い。改修工事の影響で、FA18戦闘攻撃機に加え、P3C対潜哨戒機などの訓練が普天間基地で頻繁に行われている。さらに、空軍の大型戦闘機F15の着陸訓練も強行。先月5日、F15がこれまでで最大の騒音123.6デシベルを記録した。宜野湾市基地政策部の山内繁雄部長は「普天間基地の滑走路の延長線上はすぐ住宅だから、嘉手納以上の騒音が発生する」と話す。この2カ月弱で、100回以上も戦闘機のものとみられる爆音を計測。山内部長も異常な増加だという。さらに、夜間訓練も行われていて、爆音に住民は、「戦闘機が来たら気球を上げて落とそうと思う」「すごい音、住んでいられない。何で沖縄の人たちだけ犠牲にならなければいけないのか」と、いつにも増して憤っている。尖閣諸島を巡る日中の緊張などを背景に、在日米軍の活発な活動は今後も続くとみられ、様々なしわ寄せが普天間に集中している。
11月13日に行われた日米首脳会談。菅総理は、オバマ大統領に「今月28日の沖縄知事選後に、最大限の努力をしたい」と説明した。しかし、移設問題解決の見通しは立っていない。アメリカの“海兵隊の航空機配備計画”には、『普天間基地の代替施設に遅れが出たり、頓挫した場合に必要になる』として、滑走路などの建設や改修の予定が明記されている。代替施設の完成目標は、2014年。しかし、海兵隊自身が、その遅れを想定し、普天間基地の継続使用を視野に入れ始めたとも受け取れる。そして今、普天間基地の移設と連動する沖縄負担軽減の目玉、海兵隊のグアム移転にも暗雲が立ち込めている。
日米両政府は、2014年までに沖縄の海兵隊員8000人をグアムに移転することで合意。