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2011年10月20日

脳死での臓器提供・・・家族の思い

これまで脳死での臓器提供は、ドナーカードなどで本人の意思表示が必要だったが、法律が変わり、去年7月からは、家族の承諾があれば脳死での臓器提供が可能となった。脳死での臓器提供は、法律が改正されてから63件。このうち、本人の意思表示がなく、家族の同意だけで行われたのは54件だった。脳死とは、脳の機能が完全に失われ、回復できないと認められる状態だ。身体には体温があり、心臓は動いているのに死亡時刻が確定される。そこに家族の迷いや苦悩が生じるという。突然倒れた母親の脳死に直面し、臓器提供を決断した家族に密着した。

母親が病院に運ばれた12日目の朝。病室では、2回目の脳死判定が行われていた。医師が、法律に定められた項目を確認しながら、脳死かどうか判定していく。家族は、複雑な思いで判定に立ち会っていた。脳死判定は、時間を空けて2度行われ、2回目の判定が終わったところが、母親の死亡時刻になる。まだ温かい母。次女は「心臓が動いているのに、死亡時刻が確定されて違和感がある。不思議だが受け入れないといけない」と話す。
母親は、臓器提供の意思を示すドナーカードは持っていなかった。それでも、夫と3人の娘で話し合った結果、脳死での臓器提供に同意することにした。

母親は、自宅で突然倒れた。くも膜下出血だった。蘇生措置で一命は取り留めたものの、4日後に脳死状態となった。その翌日、主治医が脳死での“臓器提供”の選択肢を提示した。これまで、脳死での臓器提供は、ドナーカードなどで本人が意思を示していることが条件で、その数は伸び悩んでいた。心臓や肺などの移植を待つ患者のほとんどは、国内で手術を受けることができないままだった。この家族はとまどいの中、母親が移植のニュースを見ていたとき、何気なく言った一言を思い出した。『使ってもらえるものがあるなら使ってほしい』。元気だった頃の母親の言葉が家族の心を動かした。三女は「母親はすごく優しい人なので、意識があった状態でも『提供する』と言っていたと思う。だから意思を尊重してあげたい」という。

臓器の摘出手術日。家族みんなで母親の髪を洗い、最後の時間を大切に過ごしていた。全国から移植医が集まった。手術の前にそれぞれの臓器を検査して状態を確認する。移植医は、家族に「心臓の先にエコーをあてている。

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