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2011年11月8日

前立腺がん治療の最前線

前立腺がん治療の最前線

生殖機能が衰える中高年に多い『前立腺がん』。前立腺は、膀胱の下にある男性にしかない臓器で、尿の出具合を調節したり、精子の運動機能を助ける。前立腺がんの死亡者数は、年間1万人を超えている。患者数も2020年には胃がんを抜き、2位になると予測されている。自覚症状が出にくく、気がついた時は転移しているケースが多いことから“サイレント・キラー”とも呼ばれるがんの一種だ。特別な予防法もないため、早期発見と適切な治療が鍵となる。

群馬県高崎市にある黒沢病院付属ヘルスパーククリニックのメンズドックでは、MRIを使って前立腺がんを探し出す画像診断のほか、簡単にがんの疑いがわかる“PSA検査”を行っている。前立腺タンパク(PSA)の量を測り検査するもので、わずかな血液を採って調べるだけだ。結果は、約1時間でわかる。PSAの値が基準より高いと、前立腺がんの疑いが出てくる。黒沢病院の黒澤功理事長は「PSAは大事な腫瘍マーカー。PSA検査が異常値であれば、前立腺の生検、組織を取って、がんの確定診断する」と話す。

東京医科大学病院では、患者に負担の少ない特殊な方法で前立腺の全摘手術を行っている。ロボット支援による内視鏡下前立腺全摘術だ。アメリカで生まれた手術支援ロボット“ダヴィンチ”。戦地にいる傷病兵を遠隔操作で治療するという構想から開発が進んだ。患部を映し出す内視鏡、ボディから伸びる3本のアーム、そのアームに付いた鉗子の先端部は5mm。7つの関節を持ち、人の指の稼働域を遥かに超える動きで、がんの病巣を取り除いていく。ロボット支援手術は、開腹手術に比べて、身体への負担も少なく、回復が早いのが特徴だ。手術の際、ロボットは患者の足元に置かれる。ベッドから2mほど離れた場所に、のぞき窓と2つのハンドルが付いた操作ボックスがある。執刀医は、このボックスに座って遠隔操作で手術を行う。患者に直接触れないため、手術着や手袋も身につけない。執刀医がボックス内で見る映像は、患部を10倍に拡大した立体の3D映像だ。前立腺の周囲には、静脈や神経が密集し、傷つければ大量出血や後遺症が出る恐れもある。ロボットならば、患部を様々な角度から見られるため、精密かつ安全な手術ができる。東京医科大学病院泌尿器科の吉岡邦彦医師は「眼前がすべて術野。

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