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2011年11月9日

新宿アパート火災に見る都心の生活保護実態

新宿アパート火災に見る都心の生活保護実態

東京都新宿区で6日朝、4人の死者を出したアパート火災。4人全員一人暮らしで、火災後、連絡が取れない70代の男性3人と50代の男性1人とみられている。このアパートには、23人が入居していたが、このうち19人が生活保護受給者だった。実は、火災現場の周辺には、このような生活保護受給者が住むアパートが多く見られる。

火災が起きた『ローズハウス林荘』は、築50年近い、木造アパート。部屋のほとんどは、台所付きの4畳半1間。風呂はなく、トイレは基本、共同。しかし、1階角の男性の部屋には、室内にトイレが付いていた。警視庁は、このトイレでのたばこの不始末が火元の可能性があるとみて、捜査をしている。火災現場の周辺には、多くの生活保護受給者が生活していた。火災現場近く、翠川和彦さん(83)が暮らすアパートでは、6人の住民全員が生活保護を受けている。ここも共同トイレで風呂はない。そしてやはり木造住宅だ。火災現場との共通点が目立つ。翠川さんは、電気の配線作業をしていたが、足を悪くしてからは、仕事もできない。妻とは30年前に別れ、3人の娘ともほとんど会えていない。翠川さんは、15年前から生活保護を受給。ひと月に家賃として5万3000円、生活費として7万5000円が支給されている。なぜ、新宿という大都会に生活保護受給者が増えているのか。翠川さんのアパートを管理する不動産会社でアパートの資料を見せてもらったところ、“福祉物件”という見慣れない文字があった。「福祉物件というのは、生活保護を受けている人の入居が可能なところ」と担当者は説明する。新宿区大久保あたりの家賃相場は、1Kの部屋で約8万円。一方、同じ間取りでも福祉物件は約5万円。そのほとんどは、築30年以上たったものだ。火災が起きたアパートも福祉物件だった。不動産会社の担当者は「福祉の人が入れる物件となると、1%から2%くらい。高齢になると、そこで亡くなる人もいるので、70歳を超えた人は大家さんが遠慮してしまう」と話す。この不動産会社では、5年前からアパートの大家を訪ねて回り、生活保護受給者を受け入れるよう訴えている。

元々、この地域に木造アパートが建設されたのは、地方からの集団就職者のためだった。高度経済成長期の急激な人口増加により、都市計画が整わないまま、新宿区内は住宅密集地帯となった。

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