

2012年3月6日
20年以上、軍事政権が続いたミャンマー。旧国名は“ビルマ”だ。1989年、軍事クーデター後に国名が変更された。アウン・サン・スー・チーさんの度重なる自宅軟禁が始まったのもこの時期からだ。そのミャンマーが大きく動き始めている。去年の春、軍事政権から民政へと移管した。10月には、政治犯の釈放を行っている。そして、ミャンマーに経済制裁を続けるアメリカが、クリントン国務長官を送り込んだ。ミャンマーは、天然ガスやレアメタル、ルビーなど、資源の宝庫といわれている国だ。民政化により世界中が注目するミャンマーに、今、日本企業がどんどん視察に訪れ、進出を検討しているという。
ミャンマー進出のメリットは、何より、安い賃金と豊富な人材だ。ミャンマーの一般的な平均賃金は、日本円にして1カ月約5000円。中国やベトナムなどと比較しても、かなり安い。また、15歳以上の識字率は92%と教育レベルも高く、働き手となる若い世代が多いのも特徴だ。しかし、良い面ばかりではない。軍事政権時代には、新しいビルやホテルの建設がほとんど行われず、圧倒的にオフィスが不足していて、携帯電話やメールといった通信インフラも弱い。電力不足も深刻な問題だ。1日に何度も停電する。それでも、企業にはメリットのほうが勝るという。
100%日本からの出資で、4年前に設立された『ミャンマーDCR』。本社は名古屋にある。IT関連全般の仕事を請け負っていて、取引先はすべて日本企業だ。社内の公用語は日本語。通常業務ではメールなども、すべて日本語で行っている。ミャンマーDCRの小林政彦ゼネラルマネージャーは「ミャンマー語は日本語と似ている。大体1年勉強すれば、話すことは理解してもらえる。現在、非常に優秀な人材が取れる状況。日本の仕事のやり方を素直に覚えてもらえるというメリットがある」と話す。ミャンマーDCRには、視察のための日本人が毎日のように訪れる。IT企業であるオーテックの林道雄社長もその一人だ。林さんの会社は金融関係のシステム開発を請け負う会社で、プログラムの書き込みなどは、海外で展開している。現在、中国に拠点はあるものの、次の拠点としてミャンマーに注目した。林さんは「日本語、英語がしゃべれるエンジニアが低コストで働いてもらえる環境に驚いた。ITスキルを持った大学生がいっぱいいる。