

2012年8月17日
アメリカは、福島第一原発事故後も原発の推進を変えなかった。アメリカには現在、104基の原発がある。60基が30年以上経過していて、そのうち13基は40年以上たっている。アメリカは、新たな原発の建設を模索している最中だ。しかし、今月7日、NRC=アメリカ原子力規制委員会は、核廃棄物の最終処分の基準が決まるまでは、新たな原発の建設や原発稼働の期間延長をいったん凍結することにした。なぜ、NRCはこのような決定を行ったのか。その答えの一つがネバダ州にある。
ネバダ州のユッカマウンテン。アメリカ政府は、ここに使用済み核燃料、いわゆる“核のごみ”の最終処分場を作る計画を進めていた。300mの地下に核廃棄物を埋め、30万年、保管しようという計画で、ブッシュ前大統領が最終的に決定した。しかし、その後、計画に反対していたオバマ大統領が就任し、2010年には予算もゼロになり、計画は中止となった。ユッカマウンテンの建設に、賛成派からは雇用が増えるという期待もあった。そのため、地元出身で反対派の有力議員が、ネバダ州の別の場所(ラフリン)に中国のエコ企業を誘致した。3600haの土地が提供され、巨大なソーラーパネル工場が建設される。2000人の雇用を確保し、ユッカマウンテン建設計画の中止を後押しした。
NRCが基準の見直しをすることにしたもう一つの理由は、今年6月、ワシントンの連邦高裁が出した判決だ。連邦高裁は「NRCは、最終処分場が“必要な時に”確保できるであろうとしているが、それは環境への影響を十分考慮しているとは言えない」とした。そして、「NRCが使用済み核燃料を原発の敷地内に、認可の期限切れとなった後も60年間、安全に保管できると判断しているが、将来の危険性を適切に評価しているとは言えない」と指摘した。NRCのアリソン・マクファーレン委員長は「福島事故前には、原子炉の所に使用済み燃料プールがあることを知らなかった人が多かったでしょう。今は、ヘリコプターが水をプールに向けて投下している映像を覚えている。核燃料サイクルの最終過程は大事。常にこのことを考えなければならない」と指摘する。そのうえで「我々が基準の見直しを終えるまでは、いかなる原発にも建設許可や再認可を与えることはない。
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