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2012年12月25日

笹子トンネル崩落〜事故は起こるべくして起きたのか

笹子トンネル崩落〜事故は起こるべくして起きたのか

9人が死亡した中央自動車道の笹子トンネル上り線の天井板崩落事故。130mにわたって落下したコンクリート製の天井板1枚の重さは、1.2〜1.4t。これらはトンネル上部から金具でつり下げられ、車道と上の換気用スペースを仕切る役割を果たしていた。つり金具は、ほぼ全体が送気スペースと排気スペースを隔てる壁の中に埋め込められているが、上の部分は金属の板でコンクリートに取り付けられていた。事故の発端は、この金属の板とコンクリートを固定するボルトが抜け落ちたこと。ボルトは、接着剤で固定されていた。指摘されているのが“老朽化”だ。崩落現場の中央付近では、事故後、接着剤がついたまま落下したボルトも発見されている。この接着剤でボルトをとめる工法に問題はなかったのか。

1977年に開通した全長4700mの笹子トンネル。建設当時、工事責任者だった周佐光衛さん(82)は、開通前に転勤となったため、崩落した天井板の設置には関わっていなかった。事故後の報道で、上向きに打ち込んだボルトを接着剤で固定する工法に驚いたという。上向きにボルトを打ち込むことの困難さと問題点を実験した。ボルトを上向きに打ち込んだ場合、接着剤がしっかり奥まで入らず、強度が低下する恐れがあるという。長年コンクリート板の設置工事に携わってきた1級建築士の亀尾保さんによると、ボルトを下向きに打ち込む工法は、建設現場では一般的に行われていて、上向きは、補修や補強などの場合に限られるという。亀尾さんは「トンネルの中は、車の風圧や地震で揺れるので、上向きにボルトを固める工法は、時間がたてば緩んでいくのは当たり前。これを採用すること自体が間違い」と話す。上向きに打ち込んだボルトを接着剤で固定して天井板をつっているのは、笹子トンネルだけではないが、事故後、各地で行われた緊急点検では、笹子トンネルの不具合が突出していた。長いトンネルの場合、上の部分を天井板で仕切り、換気スペースにする構造は、当時、主流だった。ただ、笹子トンネルの場合、幅10m、高さ5mという大きさが問題の可能性がある。点検しづらいうえ、天井板が左右2枚合わせて2.5tもあり、ほかのトンネルより圧倒的に負荷がかかっている。全長8500mの中央道・恵那山トンネルも、笹子トンネルと同じ天井板で仕切り、換気を行っている。

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