

2013年1月15日
歯の表面についた細菌が引き起こす病気、歯周病。歯茎が腫れ、出血するだけでなく、悪化すると歯を支える骨を溶かし、歯が抜けてしまう。初期の段階では、自覚症状がほとんどないため、気付かない人も多い。実際は、日本人の成人の約8割が歯周病だといわれている。歯を抜く患者全体のうち、4割の原因が歯周病だという。年代別にみると、20代〜30代は虫歯や親知らず。これに対し、40代以降は歯周病によるものが大半を占める。一度溶けてしまった骨を元に戻すことは不可能といわれるなか、自分自身の細胞を培養して新しい骨を作る画期的な治療が日本で実用化された。その治療の方法は、まず、骨髄液を採取する。この中に、骨のもととなる細胞が含まれていて、特殊な方法で培養していく。培養期間は約1カ月。骨になる細胞の集まったものを欠損部分に移植する。移植された骨は、約3〜4カ月で固まる。骨となって固まれば、義歯の土台となるインプラントを埋め込むことができる。これまでは、動物由来の骨など、人のものではないものを移植して使うケースが多く、異物という意味で、抵抗のある人が多かったという。
大阪府吹田市に住む会社員・田嶋慶太郎さん(41)。奥歯の痛みに耐えかね、病院に行ったところ、思いもよらぬ言葉が返ってきた。『上顎の歯を支えている歯槽骨が溶けている』と。また、骨だけでなく、上顎洞という鼻の空洞の薄い粘膜のところまで炎症が波及していて、歯を抜く際、その粘膜も一緒に破れ、口の中の細菌が上顎洞に入り、急性の炎症が起こりうる状態だった。田嶋さんは「まだ40代で若いと思っていたのに、本当に驚いた」と話す。田嶋さんの場合、20年以上前に治療した歯が破折し、そこから細菌が入り込み、歯の周りに炎症を起こし、骨を溶かしていた。右奥歯の骨は薄くなり、抜歯後に確認すると、所々に穴が開いている状態だった。仕事が忙しく、歯の痛みを我慢し、病院に行かなかったことが病状を悪化させていた。再生治療に臨むことになった田嶋さん。去年6月下旬、再生する骨のもととなる骨髄液を採る手術が行われた。骨髄液は、骨盤を形成する硬い骨の内部にある。腰のあたりに専用の針を刺し、注射器で抜き取る。抜き取られた骨髄液は、すぐさま培養室に運ばれ、骨を培養する作業が行われた。骨髄液の採取から1カ月。
動画視聴推奨環境について
Microsoft Edge、Google Chrome の最新版を推奨環境としております。