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日没順延の初日 松山英樹、今平周吾が上々発進
石川遼、金谷拓実も予選通過圏内で2日目へ

今年2戦目となる海外メジャーの「全米オープンゴルフ」がニューヨーク州のウィングドフットゴルフクラブで開幕した。優勝スコアがトータル8オーバーと予想されるなど、開幕前から超難関コースの話題は尽きなかったが、初日はアンダーパーが21人というスタートとなった。

日本勢は4人が出場。悲願のメジャー初制覇を目指す松山英樹に5年ぶりの本大会出場となった石川遼。2018、2019年の日本ツアー賞金王・今平周吾に、世界アマチュアランキング1位の資格で参戦している金谷拓実が、過酷な戦いに挑んでいる。

注目の松山は、2バーディ・3ボギーの「71」で1オーバーのスタート。アンダーパースタートとはいかなかったものの、粘りのゴルフで暫定33位タイと上々の滑り出しを見せた。

松山と同じく1オーバースタートとなったのが今平。前半は2ボギーと苦戦したが、後半に入り3バーディ・2ボギー。最終ホールのパー5では2オンにも成功するなど、初のメジャー予選通過が見えてきた。

石川は前半を1アンダーで折り返すと、後半で3つ落としたが2オーバーの暫定57位タイ。金谷拓実はイーブンパーで迎えた最終ホールでダブルボギーを叩いたが、それでも石川と同じ2オーバーで踏みとどまった。

首位には世界ランキング3位のジャスティン・トーマス(アメリカ)。「65」をマークし5アンダーで単独トップに立っている。過去、同コースで行われた本大会のベストスコアとなったトーマス。2017年「全米プロゴルフ選手権」に次ぐメジャー2勝目を目指す。

1打差の4アンダー・暫定2位タイにトーマス・ピータース(ベルギー)、マシュー・ウルフ(アメリカ)、ホールインワンを記録したパトリック・リード(アメリカ)がつける展開。

さらに1打差の3アンダー・暫定5位タイに初メジャータイトルを狙うリー・ウェストウッド(イングランド)、2010年全英覇者のルイ・ウーストヘイゼン(南アフリカ)、そして2011年本大会覇者のローリー・マキロイ(北アイルランド)が続く。

ブライソン・デシャンボー、リッキー・ファウラー、トニー・フィナウ(いずれもアメリカ)、ジョン・ラーム(スペイン)は1アンダーの暫定14位となっている。

2008年以来の本大会優勝をにらむタイガー・ウッズ(アメリカ)は3オーバーで世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン(アメリカ)らとともに暫定71位タイとやや出遅れた。

前年覇者のゲーリー・ウッドランド(アメリカ)は4オーバーの暫定92位タイ。8月の全米プロを制したコリン・モリカワ(アメリカ)は6オーバーで暫定120位タイ。本大会の優勝でキャリア・グランドスラムを達成するフィル・ミケルソン(アメリカ)は9オーバーの暫定142位タイに沈んだ。

■まずまずスタートの松山英樹
「久々にいいかたちでプレーできた」

モンスターコースでの初日は、パターに大きく左右される1日となった。スタートからきわどい距離のパットを沈め続け、しぶとくパーを拾っていった。迎えた5番パー4では2打目を3メートルにつけバーディが先行した。ところが、1アンダーで折り返した後半に入ると苦戦。13番までに3ボギーを叩き2オーバーまで後退した。

それでも崩れることなく終盤に巻き返した。「14番からいいパットができた」と復調。ここでピンチからパーセーブ。15番パー4では2打目を1.5メートルにつけてバーディ。最終ホールはチャンスを逃したが、パーでフィニッシュ。「18番が入れられたらもっとよかった」と悔しさも口にしたが、「久々にいい形でプレーできた」と上々の感触で初日を終えた。

初日のスタッツを見てみれば、フェアウェイキープ率が71%。一方で、グリーン上では31パットと課題は明白だ。「今日と同じようにティショットを安定させて、パッティングがうまくいけばいいゴルフができる」と表情を引き締めた。難攻不落のモンスターコース攻略に向けて、2日目も耐え忍ぶ戦いを続ける。

■「これだけ深いラフは経験したことがない」
石川遼はバースデーラウンドで納得の表情

5年ぶりの全米オープン初日は「72」のラウンド。2オーバーは首位とは7打差開いているが、まだまだ挽回のチャンスを残す結果に終わった。「今まで自分がプレーしたなかでも1番難しいし、すごくタフ。今日はピンポジションが少し易しいところに切られていて、アンダーパーも出ていましたが、これからいくらでも難しくできる」とコースの難易度に言及した。

4番パー4では12メートルを沈めてバーディ奪取。前半を1アンダーとし、上々のスタートを切った。後半に入ると1ボギー・1ダブルボギーで3つ落としたが、それでも、全米オープン史上、もっとも優勝スコアのオーバーパーが多い同コースにおいては、まずまずの出だしとなった。

「2006年の映像も見たけど、実際に来てみてより難しさを体感した。これだけ深いラフは体験したことがない。ゴルフの難しい要素をすべて含んでますね」。そんな中でも持てる力をすべて出し切った。この日は29歳のバースデー。20代ラストイヤーにふさわしい結果を求めて2日目に臨む。

■日本人同組の今平周吾と金谷拓実
ともに予選通過圏内で2日目へ

大会3度目の出場となった今平周吾は、1オーバーでフィニッシュ。松山英樹と並んで日本勢トップで初日を終えた。「ティショットは曲がったけど、その中でもリカバリーしてしのげたと思います」と振り返った1日。これまで7度の海外メジャー挑戦で一度も決勝ラウンドに進むことができなかったが、ようやくそのチャンスをたぐり寄せるゴルフを展開した。

今平と同組で回った金谷拓実は、イーブンパーで迎えた最終ホールでダブルボギーを喫し、2オーバーでホールアウト。悔しさをにじませた。「途中までいいプレーをしていたんですが、最終ホールでダブルボギーを打ってしまって悔しい気持ちはあります」と唇をかんだ。最強アマチュアとして臨んだ本大会。もちろん狙うはアマチュアの頂点だ。「どんどんバーディを獲って、スコアを伸ばしてきたい」。ローアマへ、そして上位争いへ。アマチュア最終年の集大成に向けて気合を入れ直した。