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スイス編 撮影日記

ユングフラウヨッホを目指すユングフラウ鉄道
「さすがスイス!のインターラーケン」
ユングフラウ地方の拠点、インターラーケンに。ルート上の街をどんどん移動してロケしていくこの番組にしては珍しく、1週間1カ所に留まってユングフラウヨッホを頂点に、ぐるっと周遊する。個人的な話だけれど、私は25年前、新婚旅行でここに来ている。その時は初夏だったので、もっと街は賑やかだった。冬の、というより新年早々のリゾート地は人の姿は少なく、閑散としていた…。
ところが1月1日の夕方、いきなり一体どこからこれだけの人が来たのかと思うほどの大群集が、ヘーテマッテという街の広場に溢れている。ロック・コンサートが開かれ、屋台に人々は並び、そしてクライマックスの花火の打ち上げには熱い大歓声。さすが観光立国スイス!侮れないなと思った。
翌日の午後から始まる「ハーダー・ポスチェッテ」という仮面をつけたパレードにも、大勢の人が沿道に詰めかけていた。秋田の'なまはげ'のような不気味な造形のお面に、簡素な布きれを縫い合わせたような服で練り歩く人々。さらに大きなカウベルを響かせる隊列、そして軽快な演奏の楽団も加わって、雨模様ながら、にぎにぎしい行進だった。パレードが終わり撮影も終了。
レストランで食事をしていると仮面の人々がどかどか入ってきて酒を要求したり、客を脅かしたりする。ほんとになまはげだ。夜になってもホテルのロビーで突然演奏が始まったり、あちこちでカウベルの音が鳴りだしたりとハプニングのように祭りは夜中まで続いた。昨夜の花火といい、「冬のスイス」もなかなかやるなあという印象。
ディレクター  宮崎祐治
なまはげを彷彿とさせる仮面
巨大なカウベルのパレード