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スウェーデン・ノルウェー編 撮影日記

オンダルスネスの街を高台から撮影中
ノルウェーでの取材
ノルウェーでの撮影中、現地メディアから何度も取材を受けた。初めは、第3の都市トロンハイムと首都オスロの中間地点、ドンボスから延びる観光路線ラウマ線でのことであった。取材に現れたのは、地元新聞社の女性記者と地元のケーブルテレビのディレクター兼カメラマンの2名。聞けば、今ノルウェーでは列車のコンテンツの人気が高く、日本からの取材ではどうやって番組作りをしているのか、記事にしたいのだそうだ。列車が進むにつれて、次々にメディア関係者が乗り込んできて、終点オンダルスネスに到着する頃には、ラウマ線の後ろ1両は、さながらメディア車両と化していた。
第2の都市ベルゲンへ向かう列車にやってきたのは、テレビのノルウェー公共放送(NRK)。車内での撮影風景から、ベルゲン到着の様子まで、ずっと密着取材を敢行された。その後、ベルゲンの街や郊外の蒸気機関車を撮影しているときにも、そこへやってきて、我々を取材するといった具合だった。ある日、ベルゲンのブリッゲン地区を撮影し、昼食をとっていると、電話がかかってきて、今から行ってもいいかと言う。レストランでのインタビューを受け、これからベルゲンの駅に取材に行く予定だと告げると、そこにも同行することとなった。
その日駅には、テレビのみならず、ラジオ、新聞など各メディアが大集結。インタビュー攻めに合いながらの、列車到着風景の撮影となった。NRKは今日の夕方のトップニュースで流したいので、ニュース番組のスタジオに生出演してほしいと言う。さすがにそれはと、丁重にお断りした。我々撮影隊は、ベルゲンの街でちょっとした有名人となり、突然通行人から声を掛けられ、時には一緒に写真を撮ってほしいとねだられることもあった。いやはやノルウェーでの列車コンテンツの人気はどこまで高いのか。さらに日本からの取材がこれほどまでにニュースになるものなのかと驚かされたノルウェーの旅であった。
ディレクター 松井悟
ベルゲンの街並み
ベルゲン郊外を走る蒸気機関車