世界の車窓から

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フランス編 撮影日記

ロワール川沿いを走る列車
ITより経験とカン
オジサンたちの朝は早い。5時半にゴソゴソと起き出し、6時半には朝食を済ませ、出発30分前、早くもロケ車のエンジンが始動。15分前には機材の積み込みが終わっている。そして出発時間ギリギリに寝ぼけまなこの若者たちがやってきて怒られるという具合だ。
今回初めてタブレット・パソコンなる新兵器を持参した。タッチパネルが苦手な私は出発の2週間ぐらい前から練習を重ねていた。すると社内のオジサン、オバサンがニヤニヤしながら寄ってくる。私にできるぐらいなら自分も使えるかも、と思っているのだ。クソッ! タブレット・パソコンの良さは資料や時刻表をスキャンして入れておくと文字を拡大しながら読めること。老眼鏡がいらない!これが一番助かる。そして地図のアプリケーション。自分の現在地がわかるし地図が航空写真でも表示されるから列車の中から車窓を撮る時、次にどんな風景がくるか予想できる。さらに列車の走りを撮る場所を探すのも容易になる・・・と思ったのだが、甘かった。それはネットが繋がればの話。しょっちゅう途切れるんですよ、これが。持ってこなければ感じることのないイライラが募る。さらに航空写真が問題だ。上空から見た平面図ではわからないのが線路わきの樹木の高さ。周囲が広々とした畑でも肝心の列車がよく見えないことが多い。さらに線路のそばに近寄る道が地図に書かれていても、車では行けない狭く荒れた道であることも多い。結局は現場に行かなきゃわからず、イバラに刺されながら走って探すしかない。「最後にものを言うのは長年の経験とカン」とオジサンたちは足を血だらけにして胸を張るのであった。
ディレクター  福本 浩
夏らしい車窓の風景
車内での過ごし方は人それぞれ