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2006年12月14日

元スパイ毒殺とプーチン政権の闇

元スパイ毒殺とプーチン政権の闇

プーチン政権批判の急先鋒だったロシアFSB(連邦保安局)の元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコ氏(享年43)は猛毒の放射性物質による毒殺を仕掛けられた当日、ロシア人女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ氏射殺事件の真相を追っていた。


ポリトコフスカヤ氏はプーチン政権を厳しく批判してきた国際的なジャーナリストでリトビネンコ氏の著書「暴発するロシア〜内部からのテロ〜」に強い関心を持っていた。


この本には、1999年にモスクワなどで起きたアパート連続爆破事件がFSBによって仕組まれたとする衝撃的な内容が書かれていて、ロシア国内では発売が禁止されている。


事件に疑惑の目を向けた人は他にもいた。ジャーナリストでロシア下院議員を務めていたシェコチヒン氏は連続爆破事件の真相追及中に突然体調を崩し病院に搬送された。死に至るまでの症状はリトビネンコ氏の死に酷似していた。
当時、FSB長官から首相に就任したばかりのプーチン大統領にとって、この事件は大きな意味を持つ。犯行はすぐさまチェチェン独立派武装勢力によるテロと断定され、それを理由にロシア軍はチェチェンに侵攻した。こうした強硬姿勢が喝采を浴び、翌年の大統領選挙で圧勝したプーチン政権は強権的な支配を強めたのだ。


殺害された二人、そして原因不明の死。いずれも連続爆破事件の真相を探っていたという点で繋がる。実は、この疑惑の核心部分に迫っていたという人物がロシア国内の刑務所で生存していた。FSB所属の元スパイで、その後弁護士として組織への批判に転じたミハイル・トレパシュキン氏。国家機密を暴露した罪で4年間の服役を命じられているトレパシュキン氏は一連の連続爆破事件について決定的な証拠を得ていたという。


事件を追っていたトレパシュキン氏にFSBが接触、リトビネンコ殺害グループに加わるよう指示されたという。彼はこれを拒み、リトビネンコ氏にその事実を伝えた。トレパシュキン氏が書いた手紙には「リトビネンコの関係者全員を沈めるためのかなり強引なグループが作られたと聞いた。彼は私にもし住宅爆破事件から手を引いてそのグループと組むなら私には触れないと言った」とある。この手紙を受け取ったリトビネンコ氏は死が迫る中、トレパシュキン氏の身を案じていたという。

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