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2008年11月11日

研修医が来ない〜加速する地方の医療崩壊〜

研修医が来ない〜加速する地方の医療崩壊〜

地方の医師不足、医療崩壊が深刻だ。
島根県の出雲市民病院。県内でも有数の病院が医師不足にあえいでいる。
外科医が相次いで辞め、今年4月から外科を休診する事態に陥った。大学の医局に医師の派遣を頼んでも出せないと断られ、院長自らが月に数回の宿直を担当している。
地方の医師不足の原因のひとつと言われているのが、2004年から始まった『新医師臨床研修制度』。
この制度は新人医師が幅広く医療知識を習得する目的で始まり、これまで大半が大学病院で研修を受け、系列病院へと派遣された。しかし新制度では「マッチング」というシステムを導入。研修医と病院側の希望が合えば自由に研修先が選べるようになった。その結果、都会の病院に研修希望者が集中。大学病院は、地方への医師の供給が難しくなってきた。
2007年度、島根県内の病院が募集した研修医95人の枠に対し、希望者はわずか40人。県内6つの病院に応募者はなかった。
医師を供給する側も、研修医の獲得に懸命だ。島根大学医学部附属病院では、40人近くいた研修医が新制度後、およそ3割減ってしまった。

そんな中、福井県・公立小浜病院では、今年、4年ぶりに2人の研修医の獲得に成功した。
この病院を選んだ理由を研修医の谷孝文さんは、「医療崩壊している所を中心に狙っていこうと思って。ここが医療崩壊しているという意味ではないが、そのほうが研修医にも実際に症例が回ってくる」と話す。
病院にとって研修医は金の卵。小浜病院では宿舎も新しくし、給料は都会のおよそ倍の54万円にした。
小浜病院の常勤の医師は、43人。定員より5人足りない。そのため内科は初診を制限し、入院病棟は一部休止している。谷さんは外科の研修を終え、現在、麻酔科にいる。
2ヶ月目だが、すでに、現場では欠かせない存在になっている。1日も早く戦力になってもらうため、研修では出来るだけ実践を積ませるのが小浜病院の方針だ。
ライバルが少ない分、より多くの症例が経験をすることができ、谷さんは手術助手を行うなど、難易度の高い技術にも慣れてきている。
「医師として手術に参加できる人が一人いるということだけで、手術は1件成立する」
と研修指導統括・服部泰章医師は話す。

『新医師臨床研修制度』により、研修医が都市部に偏在する傾向は強まった。

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