

2008年11月20日
北朝鮮の金正日総書記が脳卒中に倒れたとの情報が飛び出してから2ヶ月が経過した。
北朝鮮当局は金総書記の健在ぶりを紹介する写真を公開するもののいずれも不自然なものばかりで、肝心の本人の映像をいまだに公開していない。
そもそも北朝鮮国内では金総書記の病状についての報道は一切ない。完全な情報統制を敷いている。
しかし、この最高権力者の異変に北朝鮮の住民は気づき始めているのではないだろうか?
中国と北朝鮮との国境地帯に向かった。
国境のフェンスが途切れたところで、北朝鮮の住民と接触することが出来る。ここで出会った少年に金総書記の病状について尋ねると、健康だという返事が返ってきた。
中国と北朝鮮の物流拠点である遼寧省丹東市では、中国から北朝鮮に向かうトラックが一日に数十台、橋を渡っていく。
北朝鮮からもトラックがやってくる。北朝鮮のトラックを追いかけて行くと、トラックターミナルにたどり着く。北朝鮮のトラックは中国製のビールやバナナ、そしてブドウ糖の注射液などを積みこんでいた。中国からの物資が北朝鮮を支えている。
金日成バッジをつけたトラック運転手に金総書記の病状について尋ねると、「知らない」という答えが返ってきた。
さらに、国境を北上すると中国と北朝鮮を結ぶいくつもの橋があり、図們大橋では、ちょうど北朝鮮から中国側に渡ってくる朝鮮系の中国人がいた。中国側の街には大勢の朝鮮系の住民が暮らしているため、親戚同士の行き来が多い。今年は、韓国で政権交代が起き、これまでのように大量の援助物資が北朝鮮に届いていない。北朝鮮で暮らす四女の妹を訪ねる2人の姉は、妹家族へのお土産として、食料や衣類、そして電化製品を用意していた。
中国側では、金総書記の病気のことを皆、知っていた。
「(金正日)将軍様が生きているのかいないのか。中国の新聞に載った軍を視察している写真は昔のだって」と北朝鮮と行き来している運送業者は話す。
国境の橋を挟んで、静まり返っている北朝鮮に比べ、中国側の街はどこも活気にあふれていた。ところが、多くの朝鮮系住民が暮らす吉林省延吉市では異変が起きていた。
日本に輸出できなくなった北朝鮮のカニが大量に中国に持ち込まれていた。
こうした海産物と一緒に流れ込む北朝鮮内部の情報は、窮状を極めていた。