

2008年11月27日
北朝鮮の金正日総書記の重病説が伝えられる中、統制が強くなってきている動きがある。体制が揺らいでいるのか。
北朝鮮の実態を世界に知らしめようと北朝鮮国内で取材を続けている北朝鮮人ジャーナリストのシム・ウィチョン氏が、北朝鮮の南西部、黄海(ファンヘ)道で命がけで撮った映像7時間分には北朝鮮の変化が見て取れる。先月中旬に撮影された国内の映像から市場経済が社会主義の計画経済を飲みこもうとしている様子を見て取れる。
そして、金正日総書記の重病説に呼応するかのような動きも捉えていた。
当局の組織「紛糾隊」はズボンをはいている女性を糾弾するが、糾弾された女性も
「なぜズボンをはいてはいけないのか」と反論する。
また別の町では自転車を押している女性2人が呼び止められ、自転車に乗っていたとして取り締まられていた。北朝鮮では女性が自転車に乗るのは10年ほどまえから規制され始めたという。金総書記の一声で女性が自転車に乗ることは禁止されたとされる。その後、解禁となったとも伝えられたが、最近、再び統制が厳しくなっている。
金総書記の重病説と関連して、市民生活への統制が強まっているというのだ。
しかし国家の政策ではなく、食べるために民衆の意思によって登場した市場経済の拡大はもはや押さえ込むことが出来なくなっている。
その象徴ともいえるのが市場の変化だ。商売に変化が出てきている。
サリウォンの市場の前にバナナを売っている女性がいるが、そのほかに紙を手にしている。
そこにはコーヒーやパイナップルなど輸入された嗜好品の数々が書かれていた。
品物はなく、紙だけを持った女性たちが連なっている。紙にはメガネ、工業品、靴、薬などという文字も書かれている。この紙は何なのか?
紙を持った女性の脇を通って奥に入ると、そこにはDVDや炊飯器など電化製品の箱など商品が積み上げられていた。この紙は、売る商品を書いた目録だったのだ。
女性たちはなぜ商品を表に出さないのか?
北朝鮮の市場を定点観測し続けているアジアプレスの石丸次郎氏は、その理由について
「公設の市場で商品を並べると場所代を取られるのでそれを避けようとした」と分析する。