

2010年6月29日
2001年10月にアメリカが始めたアフガニスタン戦争は、9年になろうとしている今も自爆テロが絶えない。泥沼化する戦争で犠牲になるのは、多くの一般市民。今、戦争による新たな悲劇が生まれている。今月、フリージャーナリストの西谷文和氏がアフガニスタンの首都カブールを取材した。
人口200万人のカブールでは、自爆テロ対策として、危険な自動車爆弾が積まれていないか、チェックポイントを設け、警官が1台1台車両をチェックしている。また、上空からは、米軍の飛行船がテロリストを監視している。厳戒態勢のカブールの街で、西谷は車椅子の親子に出会った。レイラ・サバイさん(35)は、20歳の時、結婚してすぐにロケット弾を浴びて、両足を失った。車椅子を押しているのは、娘のサハルちゃん(10)。レイラさんの夫は、2008年7月、インド大使館の爆破テロに巻き込まれ、犠牲になった。苦労する母親の姿を見てきたサハルちゃんに将来の夢を聞くと、「母の治療をしたいから医者になりたい」という。
今、各国からの復興支援で、カブールはマンションの建設ラッシュだ。(日本は4500億円を支援)。マンションは、建てればすぐに売れるという。しかし、すぐそばには、戦争で家を失った避難民キャンプが広がる。UNHCR=国連難民高等弁務官事務所によると、国内の避難民は29万人に上るという。
西谷は、今年1月に取材したバルワンセー避難民キャンプを再び訪れた。35家族80人が住んでいるこのキャンプ、冬は氷点下になる極寒の地だ。ここで悲劇が起きていた。この半年の間で、寒さにより、5人の子どもたちが命を落とした。夏は40度を超え、劣悪な環境と不衛生な暮らし。今いる小さな子どもたちは耐えられるのか――――
長引く戦争の影響で、生まれてくる子どもたちに異変が起きている。カブール市内にある病院には、生まれつき眼球がない子ども、肛門がないせいでお腹が膨れている赤ちゃんや、お尻に頭の大きさほどの腫瘍が出来ている赤ちゃんなど、先天性異常や白血病の子どもたちが数多くいる。アフガニスタンで生まれた子どもの6人に1人が、1歳の誕生日を迎える前に亡くなっている。小児腫瘍専門医は「長い間、戦争が続いている地域の子どもを診てきた。彼らは放射線を浴びたと思う」と話す。米軍はアフガニスタンで、殺傷力の高い劣化ウラン弾を使ってきた。