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2010年6月8日

ワールドカップ開幕直前、南アフリカ治安状況

ワールドカップ開幕直前、南アフリカ治安状況

6月11日に開幕するFIFAワールドカップ。今大会、最大の課題とされているのが治安問題だ。40万人近くの外国人観戦者が見込まれるなか、果たしてどこまで安全を確保できるのか。

南アフリカ政府は、国内で4万人以上の警官隊を配置し、国の威信をかけた厳戒態勢を敷いている。しかし、それでも事件は後を絶たない。5日、ヨハネスブルクの開幕戦が行われるメインスタジアム近くで、強盗団が現金輸送車を襲撃。警官との間で銃撃戦が発生し、追跡した警官2名が死傷した。取材に訪れた韓国の記者も襲われた。現場は、警戒が厳しいはずのヨハネスブルクの中心街にあるショッピングセンター内のトイレ。「一人になったところ、3、4人くらいに後ろから首を絞められ、現金15万円とパスポートを盗まれた」と記者は話す。幸い、この記者は軽傷で済んだ。南アフリカでは、強盗事件が一日約1500件、殺人事件は平均50件も起きている。中でも最大の都市であるヨハネスブルクでは、凶悪犯罪が頻発している。

ヨハネスブルクの中心地から約30キロ離れた15万人以上が暮らす旧黒人居住区・ディープスルート。中心地にはワールドカップの旗や看板があふれるが、ここにはワールドカップの雰囲気を感じさせるものが全くない。電気も水道も通っていないディープスルートは、ヨハネスブルクの中でも最悪の治安状態だといわれている。絶望的な貧富の格差が存在する南アフリカ。この地区での失業率は9割近くに及び、生活のために犯罪に手を染める者も少なくない。報道ステーションでは、去年、この地区に住み、「仕事は泥棒」と堂々と話す男性を取材した。「ワールドカップで盗みをする」と話していた男性を再び訪ねた。男性は、妻と息子の3人暮らし。ワールドカップ開催で治安対策が強化されているが、それでも今も盗みを続けては、盗んだものを売ったわずかな金で食いつなぐ生活を続けているという。男性は、「試合を観るつもりはない。スタジアムの外にいる。警備が厳しくても、仕事(盗み)をやり遂げる」と話す。こう語る男性自身も、最近、別の強盗グループに襲われ、大けがをしたという。

ワールドカップ直前。今も犯罪の連鎖は続いている。世界最大のスポーツイベントに期待を寄せる南アフリカ国民。一方で、観戦者を狙っている犯罪者がいるのも現実だ。

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