

2011年8月25日
今、アフリカ東部一帯は“過去60年で最悪”と言われる大干ばつに見舞われており、極度の食糧不足に陥っている。国連は、この地域の1200万人以上が生命の危機にさらされる可能性があるとして、緊急援助が必要だとしている。アフリカの“角”と言われるソマリア。最近は、海賊の拠点として伝えられることが多い。ソマリアでは、すでに80万人以上が国外に脱出。その半数が、隣国ケニアにある世界最大の難民キャンプ“ダダーブ難民キャンプ”にいる。ソマリア難民の現状を取材した。
20年前からある“ダダーブ難民キャンプ”。一面、難民たちのテントが立ち並ぶ。ここの難民の数は40万人を超えた。テントの中は強烈な臭いが漂い、劣悪な環境だ。そして今も、ソマリアから毎日1000人以上の人がやってくる。しかし、キャンプの中には入れず、受け付けを待つ人々が行列を作る。その中には、小さな子どもの姿が多く目立つ。難民キャンプの受け付けを待つ母と子は「3日間ここで待っている。ソマリアでは農業をしていたが、長い間、雨が降らず諦めた。食べ物がなくて大変」と話す。また、キャンプ内にある病院には次々と患者が訪れ、飢えと体調不良で苦しむ人で溢れかえっている。難民キャンプでの手続きを手助けするハッサン・ヨセフ・モハメッドさん(24)。彼も20年前、この難民キャンプに避難してきたソマリア人だ。「1991年にやってきた時は、戦争から逃れるためだった。今、ソマリアから逃げてくる人たちは飢餓が原因」と話す。去年からソマリアを含め、大干ばつに見舞われているアフリカ東部。干ばつの原因として、ラニーニャ現象の影響も指摘されているが、はっきりしたことはわかっていない。
この3カ月でだけで約3万人の乳幼児が死亡。ダダーブ難民キャンプには約10万人が増えたという。そのほとんどがソマリアからの難民だ。この状況を生み出しているのは、“天災”だけでない。難民キャンプを運営するUNHCR=国連難民高等弁務官事務所の職員・デービッド・O・マゴールド氏は、「イスラム過激派組織(アルシャバブ)とソマリア暫定政府の間の争いがあるから」と人災面の影響を指摘する。ソマリアは、1991年に内戦が勃発。その後、暫定政府はあるものの、イスラム過激派が台頭するなど、20年間、ほぼ無政府状態に近い。現在、約40万人のソマリア難民がいるダダーブ難民キャンプ。