

2012年2月15日
首都圏連続不審死事件で、男性3人に対する殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判が1月10日からさいたま地裁で始まった。一部詐欺については認めているものの、殺人については否定し、検察と全面対決の構えだ。木嶋被告と交際した寺田隆夫さん(当時53)、安藤健三さん(当時80)、大出嘉之さん(当時41)が次々と謎の死を遂げた。3人は、半年の間に遺体で発見され、いずれも木嶋被告と婚活サイトを通じて知り合っている。木嶋被告は、彼らを含めた6人の男性から約3200万円もの大金を引き出していた。なぜ、そのようなことができたのか。その手口が公判で明らかになってきた。木嶋被告のメールは、結婚をほのめかし、独身中高年男性の心の隙間に入り込むものだった。
木嶋被告は2008年5月に婚活サイトに登録。その直後から安藤さん、寺田さんと同時に交際を始める。夏からは、さらに49歳、47歳の男性2人、翌年も大出さんと46歳の男性から金を引き出していた。このなかでも49歳の男性と交わしたメールに注目した。そこには彼女の手口が集約されていた。
長野県内に住む男性が婚活サイトで木嶋被告と知り合ったのは、2008年8月。当時、アパートで一人暮らしだった。8月24日、木嶋被告からの最初のメールには『現在は、音楽教室の講師をしており、大学院では栄養学が専攻です』と書かれ、そのうえで、現在、大学院の学費を滞納していると訴えていた。そして『将来を考えてくださる方に支援をしていただければというのが、私が交際する方に望んでいること』と書いていた。偽りの大学院話だが、男性は、“まじめな苦学生”と思い、メールのやり取りが始まった。木嶋被告は『運命的な何かを感じています。あなたは結婚したら、子どもはほしいですか。年齢的にも、先のことは計画的に考えないといけないですね』などのメールを送っていた。メールのやり取りを始めてから1週間後の8月31日に、男性は初めて木嶋被告に会った。その後、男性は、9月2日から4日にかけて80万円を振り込んだ。木嶋被告は、この後、男性に『大学院への寄付金として140万円必要なので、自分の持っている絵を買ってほしい』と持ちかけた。しかし、このとき男性は断りのメール入れた。実は、この絵画は、同時期に交際していた安藤さんが持っていたものだった。