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2012年7月25日

流産は防げる・・・おなかの中の救える命

流産は防げる・・・おなかの中の救える命

妊娠をしても流産・死産を繰り返してしまう“不育症”。不育症の患者は、全国で約140万人。毎年、約3万人が新たに発症している。不育症は産婦人科医も理解が十分ではなく、何度も流産を繰り返しても原因がわからないまま、妊娠をあきらめる人も多かった。現在も原因がわからないケースが半数を超えるものの、胎盤の血液が固まりやすい体質や子宮の形に異常があるなど、医学的な原因があるケースが明らかになってきた。適切な治療を受けると、85%以上の人が赤ちゃんを抱くことができる。これにより、年間1万人近くの新しい命が誕生する可能性もある。岡山大学病院・産婦人科不育症外来の中塚幹也医師は「不育症治療の成功率は高い。治療が広まっていくことで助かる命がたくさんある。少子化対策の一環としても有効だと思う」と話す。不育症と闘い、出産に臨む女性に密着した。

3歳の娘を持つ桜井理花さん(仮名・40)は、2人目を妊娠した。しかし、桜井さんにとって妊娠は、常に不安と隣り合わせだ。桜井さんは、結婚後まもなく不妊治療を開始し、やっとの思いで授かった赤ちゃんを4回流産した。さらに、妊娠6カ月を過ぎての死産も経験。すでに心臓の止まった双子の赤ちゃんだった。桜井さんは「私も一緒に死ねるものなら死にたいという気持ちはあった。忘れることはできない」と涙ぐむ。妊娠経験がある女性の約4割が流産を経験している。不妊治療を経て授かった命を何度も失っていく・・・悲しみのなか、桜井さんが医師から告げられた原因は、“不育症”という聞きなれない病名だった。桜井さんは、不育症患者のなかでも多い、胎盤に血の塊、血栓ができやすいケースだ。そのため、赤ちゃんに十分な栄養や酸素が届かなくなっていた。これを防ぐには、血液をさらさらにする薬剤を注射しなければならない。注射は、1日2回、12時間おきに自分で打つ。妊娠初期から臨月まで毎日、約500回の注射を打ち続ける。桜井さんの太ももには内出血のアザがいくつもあった。痛くなく、内出血のないところを探しながら打っているという。桜井さんは、注射代に1カ月約5万円支払うなど、保険適用されない高額な医療費を負担してきた。桜井さんは「精神的、体力的、金銭的にも結構きつい部分があって、やめようというときもあったけど、あきらめきれなかった」という。国は、不育症治療に対し、ようやく重い腰を上げた。

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