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2012年10月12日

検証:東電テレビ会議映像で見えたもの

検証:東電テレビ会議映像で見えたもの

福島第一原発が12日、報道陣に公開された。原子炉建屋の周りには、多数の工事車両が集まり、がれきの撤去作業などが行われていた。その一方で、津波で押し流され、180度ひっくり返ったままのトラックなど、事故当時そのままの惨状も残っている。今や廃炉作業の拠点となっている免震重要棟。1年7カ月前、そこは、まさに戦場だった。東京電力は5日、事故当時の生々しいやり取り6時間分を公開した。このやり取りの中から、根本的な問題が浮き彫りになった。『誰が、現場で立ち向かうべきなのか』。日本最大の電力会社でも、原発事故は手に負えなかった。

暴走する原子炉とともに危険な状態となっていた燃料プール。現場では、どのように冷やすのか行き詰まっていた。東京電力本店は、作業員が氷を原子炉建屋の中に運んで、燃料プールに放り込むという、危険な作戦すら考えていた。さらに、「埼玉県・桶川のヘリポートに氷3.5tを用意する。ヘリコプターを使って燃料プールの上まで運んで投入する」と現場に伝える。実際に氷も用意されたが、現場では「プールの水が約3000tあって、氷が3t。効果を考えると、まさに焼け石に水だ」という声が上がる。結局、氷は、近くの第二原発まで運ばれたものの、すべて溶けてしまったという。そもそも東電は、燃料プールの状況確認すらままならなかった。それだけではなく、大型の消防車や、復旧に欠かせないクレーン車も、運転を請け負う下請け会社が難色を示したため、なかなか現場に届かなかった。これらのテレビ会議を見てきた元国会事故調査委員会の野村修也氏は「民間企業に頼んでも、従業員の人命に関わることだから、気軽に請け負えない。事前にきちっとした話し合いがなければ簡単に対応できない。やはり準備不足だった」と指摘する。

人も物資も不足していた第一原発は、2号機も爆発の危機に陥る。3月14日の夜、2号機で核燃料がすべて露出。空焚き状態となっていた。メルトダウンを防ぐ唯一の希望は、消防ポンプでの海水注入だったが、ポンプの燃料が切れたため、水は入らず。内部の圧力を逃すベントも失敗。格納容器は、中の圧力が設計限界を超えると、最悪、破裂する危険性があった。免震重要棟では、絶望感が広がっていた。ちょうどこの頃、東電本店で、第一原発からの“退避”が検討され始めた。

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