

2012年10月19日
入学当初からいじめに悩んできた愛知県の女子生徒(中学2年)。『バカ』『死ね』など、同級生からの度重なる暴言で、次第に頭痛や吐き気など体調を崩していき、1年生の夏、“適応障害”と診断された。心と体のバランスが崩れ、社会に適応できない病だ。ひどい時は、加害者らに囲まれる幻覚を見たという。そして、彼女は、1年生の2学期後半から教室に入れなくなってしまった。それでも学校に行くのはやめなかった。彼女は「学校が嫌いではないし、高校に行きたい」と話す。女子生徒は、学校側の提案で“別室登校”となった。毎朝、時間をずらし、別室に登校した。一日中が自習時間。1人で問題集を解き、テストも1人で受けた。休憩時間も放課後も勉強を続け、1年生最後のテストは、学年148人中17位だった。なかでも、英語は3位とトップクラスの実力を見せた。ところが、成績は相反して下がり始めた。1年生の1学期、主要5科目は5段階評価中、ほぼ『4』だったのが、2年生での成績は、5科目すべてが『3』。実技では『1』や『2』がつくなど、すべての科目で成績が下がった。
成績のつけ方に、文部科学省は教育委員会に通知しているのが、観点別評価だ。生徒の評価を知識、思考、技能、意欲など、4つの観点に着目して評価するというもの。テストだけで評価するのではなく、普段の学習状況や教室での発表なども踏まえて評価すべきとしている。つまり、彼女のように教室に入れない生徒は、教室内での評価ができないため、評価は最大でも『3』。実技中心の科目では、さらに成績が悪くなる。彼女の父親は、このままでは、彼女が志望する公立高校に行けなくなると嘆く。高校入試の際、中学校は、高校に調査書というものを送る。ここには、各生徒の成績いわゆる“内申点”が記載されている。高校は、主に、この内申点と入学試験の点数で合否を判定する。愛知県の場合、当日の試験は5科目100点満点。内申点は3年次の9科目最大45点、この2倍の90点が満点となる。内申点は、高校受験に大きなウェートを占める。この女子生徒は、3年生になっても、教室に入らなければ、志望校への進学がままならない。愛知県教育委員会高校教育課の坪井基紀課長補佐は「愛知県では、調査書(内申点)を用いないという選抜はやっていない。他県でやっている例もあるので、研究していかないといけない」と話す。
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