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2012年11月20日

暴力に震える北九州〜市民生活の実態

暴力に震える北九州〜市民生活の実態

福岡県が8月に施行した『標章制度』。『暴力団員の立入禁止』のステッカーを貼った飲食店へ暴力団が立ち入ることを禁じた。この直後から飲食店やその関係者を狙った事件が立て続けに発生している。暴力団の関与が疑われているが、検挙はされていない。暴力の恐怖と暴力団対策の狭間で、市民が翻弄される北九州市の実態を取材した。

9月7日、北九州市の繁華街でスナックを経営する女性(35)が帰宅したところ、何者かに背後から切り付けられた。実は、事件が起きる3週間前、女性のスナックがある雑居ビルで、不審火が起きていた。火のついたエレベーターは、女性の店がある階で止まり、スナックの入り口には、何の印なのか、赤い塗料が塗りつけられていた。事件に巻き込まれ大けがを負ったタクシー運転手は、「犯人は『警察に言ったら、わかっとるやろうな』と言って立ち去った」と話す。この女性以外に、スナックの女性従業員が店の前で、そして、小料理屋の経営者が自宅マンションの通路で襲われるなど、8月以降、9件の事件が発生。そのうち切り付け事件が4件、残る5件が不審火。このうち、1件はスナックの常連客が逮捕されたものの、ほかは未解決だ。

北九州市には、指定暴力団・工藤会の本部がある。警察は、これまでも様々な容疑で家宅捜索を行うなど、工藤会撲滅に取り組んできた。そんななか、組織的とみられる脅迫電話が飲食店にかかる。何者かが、公衆電話を使い、2〜3時間の間で約90の飲食店に脅迫電話をかけた。内容にばらつきがあり、複数の男が一斉に電話したとみられる。脅迫電話を受けた飲食店関係者は「まず『標章を貼っていたら、お前のところ潰しに行くぞ』と言われ、そして『刺すぞ』と言われた」という。また、別の飲食店関係者は「警察に届けると、逆に狙われるのではないかと思った」と話す。客足が遠のいた北九州市小倉北区の繁華街。あるバーの経営者は「売り上げは半減。夏は暗闇の中に光る蛍を見ながら、のんびり帰っていたのが、今は、車のライトが光るだけでドキっとする。ゴルフクラブを自衛のため、車に積んでいる」と話す。暴力団追放を目指す標章制度。しかし、ステッカーを店内へ移したり、紙で覆い目立たないようにしている店もある。小倉では当初、9割近くの飲食店がステッカーを貼っていた。しかし、事件後、100軒以上の店が外している。

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