

2013年3月27日
安倍総理は、来月から資源外交をスタートさせ、ロシアのプーチン大統領と会談する。そのプーチン大統領は、ウラジオストクから日本を最大のターゲットに、シベリアに眠る大量の天然ガスなどの売り込みを図っている。プーチン大統領の下で大きな変貌を遂げているウラジオストクの今を山口アナウンサーが取材した。
ロシア語で『東を征服せよ』を意味するウラジオストク。かつて外国人の立ち入りが一切禁止された軍事都市だった。街のインフラ開発は、そのメージを次々と変えていった。老朽化した空港や道路は生まれ変わり、市内までの高速鉄道も整備された。そして、欧米資本の高級ホテルや巨大カジノリゾートの建設も進む。プーチン大統領は、ロシア経済の発展をこれまでの西側ヨーロッパから成長著しいアジア太平洋に求め、舵を切った。その起爆剤となったのが、去年開催されたAPEC首脳会議だ。日本、韓国、そして中国東北部と3億人市場を圏内に持つウラジオストクを開催地に決め、2兆円もの資金を使って、街の大開発を進めた。その真の狙いは、資源エネルギーにある。石油だけでなく、広大な領土を持つロシアは、天然ガスの埋蔵量が世界一だ。売り先としてターゲットにしたのが、アジアだ。2011年、アジア圏への輸出をにらみ、サハリンからウラジオストクまで1800kmのガスパイプラインを完成させた。
資源都市へ変貌しつつあるウラジオストクは、この20年、“見捨てられた地”といわれてきた。ソ連崩壊で軍事産業が衰退し、補助金が激減。産業が育たず人口も流出し、極東経済は疲弊の一途を辿ってきた。マフィアなどによる汚職が横行。当時は、カニの密漁に手を染める若者も多かった。その街を支えたのが、日本の中古車だ。壊れない日本車は人気となり、一大中古車市場に発展。ウラジオストクからロシア各地に売られていった。その信頼もあり、4割以上が親日家だ。極東の平均月収は、開発前に比べ、4倍以上に上昇した。スーパーなどでは、ここ数年、割高な日本製品が飛ぶように売れているという。極東開発は、市民の生活も向上させつつあるが、突然、暗雲が立ち込めた。2009年、アメリカで始まった『シェールガス革命』が、天然ガスのパワーバランスを一変させた。これまで、天然ガスの輸入国でもあったアメリカに、ロシアが生産量トップの座を奪われた。
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