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秋の中央アジア3カ国 と中東ドバイの旅編 撮影日記

プロフに舌鼓をうつ観光客
ウズベキスタン伝統料理プロフ
楽しい時間はあっという間に過ぎて行く。特に毎日列車で移動しながら旅をしていると、なおさらだ。気づけばロケは14日目、2カ国目のウズベキスタンの旅も、いよいよ最後の街ブハラを残すのみとなった。
実はブハラは、今回の旅でもっとも楽しみにしていた街。なぜなら現地ドライバーのラディアルから、ブハラのプロフは絶品と聞いていたからだ。プロフとは、大鍋で作りあげる炊き込み御飯のこと。ウズベキスタンでは、お祝いの席では必ずと言って良いほど振る舞われる料理で、結婚式には両家がプロフを持ち寄っての交換の儀式なるものも存在するという。
経験上、現地の美味しいものはドライバーが一番良く知っている。レストランで食事のメニューに迷った時は、ドライバーと同じものを注文するとまず間違いない。加えてウズベキスタン現地ガイドのジラは、1分でも時間があると、どこからともなく食糧を調達しては食べているという無類の食いしん坊。その彼女が、またいつの間にかプロフ屋の取材をコーディネートしてくれた。
いざ行ってみると、そこは路地裏にひっそりと佇む民家。なるほど、お店ではなく家庭のプロフ作りを取材させてもらえるのだなと、勝手口のような小さな玄関をくぐると、意外や意外、大勢のお客さんでごった返している。実はここ、家庭的なプロフ作りを見学できるように開放された民家。店名こそないが、美食家たちの間では超有名の所らしい。この日はドイツから団体客が訪れていた。
プロフの具材は、人参と玉ねぎ、干しぶどう、羊の肉。味付けは、塩、クミン、にんにく。シンプルだが、煮込んだ具材と一緒に米を炊き上げるため、米一粒一粒に味が染み込み何とも美味い!米自体は甘めだが、にんにくと塩の効いた肉が絶妙なバランスで、やみつきになる。見るとドイツ人たちもうっとりしている。思わず目を合わせてうなずき合う。言葉こそ通じないが、美味しさは共感できたようだ。
町並みや遺跡も良いが、やはり食べ物の取材は身も心も満足できる。ウズベキスタン最後の日は、思い出深い1日となった。
ディレクター 廣澤 鉄馬
ウズベキスタンの伝統料理プロフ
ウズベキスタンが誇る高速列車アフロシャブ号でブハラへ