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秋の中央アジア3カ国 と中東ドバイの旅編 撮影日記

旅の終わりを飾るドバイの夕陽
ドバイの夕陽を前に旅を思う
1年に数回しか雨が降らないドバイ。照りつける太陽が、ガラス張りの高層ビルをキラキラ輝かせている。この猛暑の中、外を歩く人は少ないが、ドバイの旧市街・デイラ地区にある“スーク”は例外。スークとは、小さなお店が軒を連ねるアラブ伝統の市場。売る物ごとに専門のスークがあって、中でも金を扱うゴールド・スークと香辛料を扱うスパイス・スークは、連日多くの人が訪れ活気に満ち溢れている。通りに一歩足を踏み入れると、お店の人たちが一斉に「コニチワー」「オカチマチー」「ナンデヤネーン」と声をかけてくる。意味を知っているのかどうかは分からないが、よほど日本人は良いお客さんなのだろう。ただ、つい余計に買ってしまう気持ちも分かる。スパイス・スークにはスパイスの他にドライフルーツもたくさん売っているのだが、それがとてつもなく美味い。コーディネーターのカリヤさんがつまみ食いしながら、我々にも薦めてくる。良いのか?と思いながらも手は止まらない。正直、得体の知れないフルーツもあってイマイチなものもあったが、結局買ってしまった。「ナンデヤネーン」。
ちなみに、ドバイは日曜から木曜が平日で、金曜と土曜が休日。日本の感覚で金曜に行くと閉まっているお店も多いのでご注意を。
ひと通り撮影を終え、最後に夕陽を撮りに行く。街から少し離れた高層ビル群全体を見渡せる場所。オレンジ色の太陽が、ゆっくりと街に落ちて行く。高層ビルのシルエットが、なんだか動物の群れのように見える。建設中のクレーンが今にも鳴きながら首を振りそうだ。
手つかずの大自然が広がるカザフスタンから始まり、世界有数の近未来都市ドバイで終わった今回の車窓ロケ。シルクロードを辿る事で見えてきたのは、人々の暮らしに息づく伝統を重んじる心と、進化を求め発展して行く開拓心。トレンドや価値観は変わっても、きっとこの二つの心は変わることはないだろう。またいつか、列車でシルクロードを辿りながら、心の旅をしてみたいと思う。
ディレクター 廣澤 鉄馬
スパイス・スーク
ドバイ・メトロ レッドライン