世界の車窓から

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春の台湾 潮風・新緑・恋の香りを辿る旅編 撮影日記

駅弁も台湾鉄道旅の楽しみ
台湾鉄道旅の魅力
「世界の車窓から」で最初に台湾を旅したのは1989年。
それから、ほぼ10年ごとに訪れ、少しずつ変わっていく台湾の風景を見てきました。
4回目となる今回は、台湾一周、およそ900キロの旅を中心に、
観光路線やローカル線にも乗車し、のべ約1000キロの行程を旅します。
旅の起点となるのは台湾最大の都市・台北市の中心にある台北駅。
高速鉄道や地下鉄なども乗りいれる台湾鉄道のメインターミナルです。
僕たち撮影チームが駅に入ったのは、平日のお昼ごろでしたが、
駅の中は、多くの人でごった返していました。
大半の人が観光客。
実は最近、台湾では鉄道を使って旅するのが多くの人気を集めているといいます。
九州ほどの広さを鉄道でまるっと一周でき、その中で、美しい海、険しく力強い山々、広大に広がる田園風景など様々な景色を堪能できる。
そのお手軽さが再注目され、日本や世界中から多くの観光客が訪れているのです。
その為、朝のラッシュ時でもないのに、人、人、人。
更にみんな大きなリュックやキャリーバックを持っているから、列車の中も大混雑。
正直僕らは、混雑した車内での撮影に慣れず、
最初の内はゆっくり車窓を楽しむ余裕など微塵もありません。
そんな中、目に入ってきたのは大混雑の車内で駅弁を食べている人々の姿。
現地・台湾の観光客でした。
彼らは、混雑した中でも、ゆっくりと車窓を楽しみつつ、優雅に駅弁を食べている。
もちろんそれは、こうした混雑した列車に慣れている現地の人だからこそできる事なのかもしれません。
でも、その楽しそうなこと。
その美味しそうなこと。
本当に鉄道旅を満喫しているようでした。
その後、台湾を旅する中でどこへ行っても、
こうした“のんびり旅を満喫する台湾の人々”との出会いがありました。
そうした人々との出会いの度に、せわしなく旅をしている自分の姿に気づかされる毎日。
「いけない、いけない、スケジュールのことばかり考えるのではなく、
ゆっくり車窓を眺め、のんびり台湾の旅を楽しもう」
台湾の鉄道旅が人気な理由が分かった気がしました。
ディレクター 小野田治矢
今回初登場する内湾線
1日に50万人の乗客が行きかう台北駅