世界の車窓から

トップページ > 撮影日記

インドネシア編 撮影日記

線路沿いで出会った少年たち
気は優しくて力持ち
インドネシアのロケは3週間に及んだ。カメラマンとビデオエンジニア、現地コーディネーター、ドライバー、そして私の5名が寝食を共にし、苦楽を味わい尽くしてきた。最後までチームワークが崩れることなく、順調に撮影を終えることが出来た。
日本語が通じないドライバーのウジャンさんとも深い絆で結ばれた。インドネシアは車、バイクの交通量が非常に多く、交通ルールもあってないようなもので、かなりの運転テクニックを要する。特にUターンの方法には驚かされる。日本では考えられないスピードと距離感で対向車が次々やってくる車線に徐々に進入しながら自らの経路を確保しなければならないのだ。一瞬の判断ミスが衝突事故につながりかねない状況だが、撮影ポイントを探す上で何度Uターンを指示しても、ウジャンは動揺することなく、いつも笑顔で応じてくれた。
ロケ序盤、列車の撮影ポイントを探すのに、いろいろ見て回っては「もっといいポイントに行きたい」と時間をかけて粘った事があった。すると翌日、事前にドライバー仲間へ連絡を取りポイントを探しておいてくれた。言葉が分からないはずなのに、雰囲気だけでどんな画が撮りたいか考えてくれたのだ。更に、美味しい店はたくさん知っているし、綺麗好きで毎朝車内の掃除を欠かさなかったりと、最高のおもてなしをしてくれた。なんと優秀で素晴らしいナイスガイ!“気は優しくて力持ち”とはまさに彼の事。いつか再びインドネシアを訪れる際は、必ずまたウジャンに運転をまかせたい。
ディレクター 二田 靖章
ごった返す街中を進む
スラバヤの踏切 車とバイクが一杯