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雨季のカンボジア〜青く輝く田園を走る 撮影日記

川沿いの繁華街
旅の始まり
昨年のスリランカ編に続き、2回目の車窓ロケ。カンボジア編は、番組では1999年以来の2回目・26年ぶりです。それもそのはずで、2000年代は内戦後の復興・整備などで鉄道は全線が運休していて、2016年から段階的に再開していったという事情があります。カンボジアの鉄道は北線と南線の2路線、しかもそれぞれ1日1往復しかありません。とにかく本数が少ない!人々にとってそこまで馴染みのある乗り物ではないようで、良いシーンが撮れるだろうかと一抹の不安がよぎります。ちなみに1999年版では、鉄道はまだ運休前で、人も貨物も動物もごっちゃになった、カオスな乗車風景が映っていました。きっとそれとは全く異なる風景なのでしょう。でも、同じ雨季ということで、田園はきっと美しいに違いない。今回の撮影のポイントのひとつです。
7月中旬。日本から向かうのは、私とカメラマンの飯岡幸子さん、安部雅行さんの3名。時差は2時間。現地時間18時40分、プノンペン空港到着。コーディネーターのソティさんと会えて、スムーズに外へ。初めての東南アジア。思っていたほど暑くないし風も吹いています。空港前でロケ車と合流。ドライバーさんの名前は、ボンナリエイさん。クメール語は発音が難しくて、聞き取れずに何度も尋ねてしまいました。整備された広い道路を、ぶつからないか心配なくらいひっきりなしにバイクと車が走っている。街の明かりも賑やかで、プノンペンは思った以上に都会でした。
この夜の天気は曇り。カンボジアの雨季は5~10月で、もう本格化してくる頃ですが、今年はまだあまり降っていないそうです。夕食時、まだ線路も駅も列車も見ていませんが、明日朝いちばんに走る列車を撮影する場所をみんなで相談。北線と南線の分岐が良さそうなのでまずはそこに行ってみることに。そしてソティさん経由で鉄道会社からリクエストが届きました。「列車の窓を拭くということだけれど、道具の写真を送ってほしい」。荷ほどきをしながら持参したコンパクトな窓ふきセットを撮影して、就寝。明日のホテル出発時間は5:40です。
ディレクター 中村 仁美
プノンペン空港
空港から移動する車内