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2006年12月5日

夕暮れが事故を招く ―検証!高齢者事故の死角―

夕暮れが事故を招く ―検証!高齢者事故の死角―

2002年12月21日、埼玉県南部では道路を横断中の高齢者が死亡する3件の交通事故が起きた。時刻は午後5時から6時までの夕暮れ時。(財)交通事故総合分析センター・吉田伸一主任研究員は「高齢の歩行者から見て左から来る車に衝突して亡くなる方が多い」と指摘する。なぜ夕暮れに左から来る車が危険なのか検証した。


交通死亡事故が最も多く発生した時間帯を月毎に表したグラフを見ると、死亡事故のピークは日没の時間帯とほぼ一致する。秋田大学が開発した歩行環境シミュレーターは3面のスクリーンに擬似的な交通状況を映し出し被験者がそれを見ながら実際に道路を横断していくというもの。


そこで男女6人の高齢者に同じ交通量の道路を昼、夕暮、夜
間と設定時間だけを変えて渡ってもらったところ、6人の高齢者のうち3人が夕暮れ時に車と衝突してしまった。慶応義塾
大学医学部眼科学教室・坪田一男教授は「夕暮れ時、今まで色がついていた所が暗くなると色がはっきり見えない。年を取
ると感度が落ちるため、より影響を受けやすい」と夕暮れの危険を指摘する。


さらに今回の実験では、夕方に衝突した3件中、2件が左から来た車に衝突した。秋田大学電気電子工学科・水戸部一孝講師によると「自分の意識と身体のミスマッチ。左右確認して渡るが身体が追いつかず事故にあう」と、高齢者の場合、自分
では車が来る前に渡りきれると思い横断し始めても反対車線まで渡りきれず事故にあうといった意識と行動のズレが起きて
いるという。


夕暮れ時が危険なのは歩行者だけではない。歩道側に5体並んだ人形のうち、どの人形が飛び出すかを知らせず、時速40キロで車を走らせ危険を認知した時点でブレーキを踏んでもらうという実験をした。これを昼、夕暮れ、夜間と行いドライ
バーの反応時間の差を調べたところ、人形に気付きブレーキを踏むまでの時間は夕暮れ時が最も長かった。
実験に立ち会ってもらった九州大学・松永勝也名誉教授は「薄暮時は昼夜に比べ2倍に反応時間が伸びた場合もある。気付く時間が2倍になれば、その分停止距離も長くなる」という。


夕暮れ、高齢者、右からの横断。どこにでもある条件が揃った時、新たな悲しみを生む可能性が高い。
「薄暮時の空はかなり明るい。

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