840 | 841 | 842 | 843 | 844 | 845 | 846 | 847 | 848 | 849 |

2008年6月20日

19歳少女殺害〜迫る時効、母親最後の訴え

19歳少女殺害〜迫る時効、母親最後の訴え

1993年7月7日の深夜2時半ごろ―――兵庫県尼崎市にある駐車場の一角で、突然、火の手があがった。車の火を消すと、車と塀の隙間から焼け焦げた女性の遺体が見つかった。当時19歳の川田美佐和さんだった。別の場所で殺害され、この駐車場に運び込まれて火を付けられた。美佐和さんは当時4年制の高校を卒業したばかり。物静かで、優しい性格だったという。
美佐和さんが殺害されてから14年と11ヶ月・・・時効直前の今も「誰が?」「なぜ?」と母親はその疑問を追いつづけている。

当初、母親の五十鈴さんは担当の捜査員から「事件の解決は早い」と聞かされていた。"周囲の地理に詳しい顔見知り""遺体を燃やすのに使われた特殊な塗料剤"―――。しかし容疑者の特定には至らず、15年の時効が来月7日に成立する。
(【死刑に当たる罪の公訴時効】2005年1月1日以降の事件…25年、2004年12月31日までの事件…15年)

実は美佐和さんが殺害される1週間前、母親は娘の異変に気が付いていた。「夜しょっちゅううなされたり、包丁を隠して寝てたりおかしかった」と五十鈴さんは語る。娘の異変が気になり、寝室を共にした。
そして事件があった夜、美佐和さんに一本の電話がかかってきたという。電話口から漏れ伝わってくるのは、男の怒鳴り声だった。「"怖くないのんか!"という言葉にすごく引っかかった。関西弁でもないし、太くて低い声」と五十鈴さんはいう。
この電話は自宅から400メートルほど先にある公衆電話からかけられていたことがわかった。この男に美佐和さんは呼び出されたのだ。公衆電話から遺体発見現場までは約10分の距離。美佐和さんが家を出てから遺体が発見されるまでの3時間半、足取りはわからない。
さらに事件直後、現場周辺で近所の住民がワーッと叫ぶ複数の声を聞いたという。

五十鈴さんは少しでも情報が欲しいと、パートで貯めた100万円を懸賞金に出した。「誰が」「なぜ」その疑問を知るまで、母親に時効はない。「時効というのは、"犯人を野放しにする"という意味でしょう。15年たったら、犯人が何も罰せられずにのうのうと生きていると。こういう法律はおかしい」と五十鈴さんは語る。

日本で無罪判決の三浦和義元社長が今年3月、サイパンで逮捕された。アメリカでは殺人事件に時効はない。

  • 1
  • 2
840 | 841 | 842 | 843 | 844 | 845 | 846 | 847 | 848 | 849 |