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2008年6月24日

モノ作り日本の原点〜"定年"のない会社

モノ作り日本の原点〜"定年"のない会社

「社長は死ぬまでこき使うといっている。ありがたいことだ」
―――そういいながら、工場内で誰よりも走っている67歳の社員。
「私がいなかったら、この会社はなかったかもわからない」
―――そう誇らしげにつぶやく74歳の熟練工。

愛知県豊橋市にある専用機メーカー「西島」は、国内の全自動車メーカーに工作機械を納入している。140人の従業員のうち18人が60歳以上。この会社には定年がない。「例えば、世間では定年制があって60までずっと給料を払ってもらって、雇用延長というと、すぐに給料が半分や3分の1になる。しかし、そこで経験や価値が半分になるわけではない」と西島篤師社長(56)は語る。

西島の職人のこだわりは、一つ一つの部品にまで及ぶ。精度をあげるため、74歳の兵藤勝哉さんは3ミクロン(1000分の3ミリ)のわずかな誤差を手作業で削って調整する。わずか1分で作業は終了。「なんとなくわかるんです」と兵藤さんはいう。

かつて業績が落ち込んだ時期、彼らベテランが開発した製品が会社を救った。菊の出荷作業を自動化した「菊自動選花システム」、通称"花ロボ"。茎の長さを切りそろえ、下葉を取り除く・・・生きた花を扱う繊細なタッチは、ベテラン社員にしか表現できなかった。

西島には、全国各地のメーカーが視察に訪れる。圧倒的に目立つには"技術伝承"についての質問だ。67歳の戸澤秀夫さんは、こう答える。
「技術は伝承するのではなくて、若い人に任せなければダメ」
西島では、技術や経験を伝えるため、各部署でベテランと若手にコンビを組ませる。定年がないからこそ、若手の成長を待つことができるのだ。



同じ愛知県豊橋市にある樹研工業も定年がない。ここは超精密なプラスチック部品のメーカーで、ベテラン社員が開発に携わったある製品が、業界を震撼させた。
一見、粉末にしか見えないほどの小さな物体―――重さ100万分の1グラムという世界最小の歯車だ。技術力のアピールが目的で作られたものだった。

社長の松浦元男さん(72)は「長く人が定着してくれるというのは、技術開発の最高の鍵」だと語る。社員の平均年齢が上がると共に、業績は伸びた。よって給与は年齢による序列で、学歴や性別は関係ない。

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