

2008年7月8日
燃費は1kmにつき、わずか1円。最高時速は370km―――。
この電気自動車を開発した慶応義塾大学・環境情報学部の清水浩教授は、日本の技術で地球温暖化を解決できると信じている。清水教授が27年開発を続けてきた電気自動車。だが、電気自動車でどれくらいのCO2を削減できるのか?
「自動車から出ているCO2は全体の約2割。(電気自動車だけという時代になれば)2割が4分の1、つまり15%減る。それは石油を使って発電する前提だが、将来は発電の方法が全く違ってくる。太陽光が我々を救ってくれる唯一の方法だ」と清水教授は話す。太陽から地球に来ているエネルギーは人間が使っているエネルギーの1万倍で、世界中の陸地面積の1.5%に太陽電池を張れば、今のアメリカ人と同じぜいたくなエネルギーを世界中の66億人が使えると清水教授はいう。
そんな未来が近づいている国がある。環境大国・ドイツでは太陽光発電が急速に普及し、いたるところに太陽光パネルが設置されている。一般家庭にも広がっていて、日本とほぼ同じ1軒分200万円程度のパネルが飛ぶように売れている。世界一だった日本を追い越し、さらに大きな差をつけようとしている。理由は巧みな政策にあった。
ドイツでは、太陽光発電で生まれた電気であれば、通常の電気料金の3倍で電力会社に買い取らせるという制度をとっている。これにより、パネルを取り付けた人は代金を10年程度で回収できるようになった。買い取りの財源は国民全員の負担で、1家族あたり1万円ほどの電気料金に月350円程度が上乗せされる。
"ドイツの奇跡"と呼ばれたこの政策。普及率はまだ1%だが、税金を使わずに低炭素社会へ移行しつつある。周辺のEU各国は、こぞってこの政策を取り入れて大規模発電所を次々と誕生させている。
しかし、実はこの太陽光パネルは元々日本が実用化したものだった。
大阪府交野市に世界で初めて家庭用太陽光パネルを開発し、屋根に取り付けた人物がいる。元三洋電機社長の桑野幸徳氏だ。桑野氏は、開発当時から太陽光発電が世界のエネルギー問題を解決すると信じてきた。
そして桑野氏の願い通り、世界中が"太陽光発電を優遇する法律"を積極的に導入し始めた。だが太陽光発電の先駆けである日本では、なぜか爆発的な普及が進んでいない。