

2008年7月10日
故人の人生を振り返りながら、その死を悼むシリーズ企画。
今回は今年3月、4月に亡くなった方々。
ミュージシャンの上田現さん。
「レピッシュ」のメンバーとして昭和62年にメジャーデビュー。ソロになってからはプロデューサーとしても活躍し、元ちとせさんの代表曲「ワダツミの木」の作詞・作曲も手がけた。曲作りに没頭すると夜を徹することもしばしばという、昼夜逆転の生活だった。
しかし5年前…41歳にして初めて長女・桜ちゃんを授かったとき、その生活は一変した。一緒にごはんを食べ、散歩に出かけ、幼稚園にも迎えにいった。上田さんは妻の理央さんにこう話したという。「初めて武道館に立ったとき、これ以上の幸せはないと思ったけど"これ以上の幸せ"があった」と。
ところが一昨年10月、肺がんが見つかり、余命3カ月と宣告された。しかし、上田さんはファンには病名を公表せず、痛みをおしてライブにも出演した。
副作用のきつい抗がん剤治療…その間を縫って、愛娘・桜ちゃんと共に家族旅行にも行った。上田さんは告げられた余命が過ぎても闘い続けたが、がんは確実に体を蝕んでいた―――。
3月9日、肺がんにて死去。享年47
甘い声で人気を集めた声優の広川太一郎さん。
映画スターの夢を諦めて飛び込んだ声優の世界で、その才能が開花し"アドリブの天才"と賞賛された。
しかし、吹き替え担当だった春日正伸さんは、「次の日が本番だっていうと、深夜2時か3時くらいまで言いやすい言葉に語尾を変えたり、台本に書き込んだりしていた」と、当時の広川さんの様子を語る。そうして生まれた"広川節"は、まさに努力の結晶だった。
2年前に行われた声優生誕50周年の式典にも駆けつけた広川さん。相変わらずの"広川節"を披露したが、その頃すでにがんで闘病中だった。
3月3日、がんにて死去。享年68
SF作家のアーサー・C・クラークさん。
イギリスの小さな田舎町で育った少年の楽しみは、未来を空想することだったという。子どもの頃からSFが大好きで、SF小説ばかり読んでいたというクラークさん。
"宇宙ステーション""テレビ電話""人工知能"・・・。
少年の空想は本になり、映画になり、やがて現実のものになっていった。