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2011年6月9日

“日本の宝”部品工場復旧と韓国の誘致

“日本の宝”部品工場復旧と韓国の誘致

東日本大震災によって、東北、北関東にある多くの部品工場が被災した。日本の製造業は大きな打撃を受けたが、ここに来て明るい兆しが見え始めてきた。栃木県真岡市にある自動車用のゴム製品の工場。窓枠からブレーキ、サスペンションなど、車には多くのゴムが使われている。約300種類ものゴム製品を作る鬼怒川ゴム工業の関山定男社長は「自動車メーカーの生産台数のうち45%は当社の製品がないとできない。6月以降は、3・11前の生産量の規模かそれ以上に復元する」と話す。実はこの工場、ある素材の供給が止まってしまったため、2カ月半にわたって綱渡りの操業が続いていた。

3月11日、茨城県の鹿島コンビナートを高さ6mの津波が襲った。ここでは、紫外線や熱に強く、車には欠かせない素材、“エチレン・プロピレンゴム”という素材が作られている。JSR鹿島工場の橘高賢治工場長は「コンビナートが止まってしまったから、上流から流れてくる原料が流れてこなかった。お客さまには大変ご心配をかけた」と話す。供給がストップし、影響は業界全体に波及した。試されたのは“供給責任”という重い現実。鹿島コンビナートは懸命の復旧作業の結果、5月20日に生産を再開。JSR鹿島工場でも、現在24時間のフル操業が続く。素材や部品の供給が軌道に乗り始めたことで自動車産業は急回復を見せている。しかし、いまだ復旧の見通しさえ立たない工場もある。

福島第一原発から20km圏内は“警戒区域”に指定されている。福島県南相馬市にある大内新興化学工業の原町工場は、わずか100mの距離で警戒区域の中に入った。工場周辺の放射線量は、福島市や郡山市よりも低い。しかし、政府の“線引き”によって立ち入りが禁じられたことで、工場は操業停止に追い込まれた。南相馬市内に設けた仮事務所では、働けない従業員のため、失業給付の申請作業に追われている。社員129人のうち、約60人を申請する方針だ。5月8日には、現地を視察した民主党の岡田幹事長に従業員をあげて操業再開を陳情した。工場側が危機感を募らせるのには理由がある。この工場では、ゴムの生産に欠かせない“加硫促進剤”という薬品を作っている。主に車のタイヤ向けの薬品だが、その用途は幅広く、ロケットにも使われる。加硫促進剤のうち高品質な分野の大半は、この工場で生産されている。

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